質問主意書

第187回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一六号

内閣参質一八七第一六号
  平成二十六年十月十四日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員江口克彦君提出北方領土の現況等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員江口克彦君提出北方領土の現況等に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 政府としては、ロシア連邦政府が承認した「「二千七年から二千十五年までのクリル諸島(サハリン州)社会・経済発展」連邦特別プログラム」の内容、予算額及びその成果並びに平成二十八年以降に同国政府が実施を検討している類似の計画等については承知しているが、政府が行っている情報収集の内容等について具体的にお答えすることは、対外的な関係において我が国が不利益を被るおそれがあるため、差し控えたい。

三について

 お尋ねの点を含め、我が国とロシア連邦との間の平和条約の締結に関する交渉の内容に関わる事柄について明らかにすることは、今後の交渉に支障を来すおそれがあることから、政府としてお答えすることは差し控えたい。

四について

 ロシア連邦は、軍事紛争の抑止及び予防等のため、常時即応態勢を維持する等軍事力の整備を進めることとしており、極東地域を含む東部軍管区においては、同軍管区司令官の下、地上軍として十一個旅団及び一個師団約八万人が、太平洋艦隊として主要水上艦艇約二十隻及び潜水艦約二十隻を含む約二百四十隻の艦艇約六十万トンが、航空・防空部隊として作戦機約三百四十機が存在していると承知している。我が国固有の領土である北方領土においては、国後島と択捉島に一個師団約三千五百人が存在していると承知している。
 我が国の防衛力整備は、ある特定の国を脅威とみなして、これに軍事的に対抗していくという発想には立っていないが、「平成二十六年度以降に係る防衛計画の大綱」(平成二十五年十二月十七日閣議決定)においては、各種活動を下支えする防衛力の「質」及び「量」を必要かつ十分に確保し、抑止力及び対処力を高めていくこととしている。

五について

 政府として、平成二十六年八月にロシア連邦軍が北方四島において軍事演習を実施したことを発表したことを受け、同月十三日、武藤外務省欧州局参事官からジョスキー駐日ロシア連邦臨時代理大使に対し抗議した。ロシア側が当該軍事演習を行った意図については、政府としてお答えする立場にないが、当該軍事演習の規模については、ロシア側は、千名以上と発表しているものと承知している。また、政府としては、ロシア側が、同年九月にロシア連邦軍が北方四島において軍事演習を実施したとの発表をしたとは承知していないが、お尋ねについてお答えすることは、今後の情報収集等に支障を来すおそれがあることから、差し控えたい。

六について

 四についてでお答えしたとおり、国後島及び択捉島にロシア連邦軍一個師団が存在していると承知しているが、お尋ねについてお答えすることは、今後の情報収集等に支障を来すおそれがあることから、差し控えたい。