質問主意書

第187回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九五号

年金積立金管理運用独立行政法人における運用と災害リスクに関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年十一月十八日

櫻井 充   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   年金積立金管理運用独立行政法人における運用と災害リスクに関する再質問主意書

 私は、去る十月二十二日に「年金積立金管理運用独立行政法人における運用と災害リスクに関する質問主意書」(第百八十七回国会質問第三八号。以下「前回質問主意書」という。)を提出した。
 これに対する答弁書(内閣参質一八七第三八号。以下「前回答弁書」という。)において説明が不十分である部分が複数見受けられた。
 そこで、改めて以下質問する。

一 前回答弁書の「四について」では、「基本ポートフォリオの策定に当たり、地震等の自然災害の影響も織り込まれた資産価値の変動に関するデータ等を用いて運用リスク等の推計を行っている。」との答弁がなされている。
 この答弁で示された「資産価値の変動に関するデータ等」とは、過去の株価や金利等の単純な時系列的推移を示しているものではないと考えるが、過去に発生した実際の自然災害の中で、どの災害による影響を織り込んだものであるのか、具体的に明らかにされたい。
 また、現在の運用リスクの推計に用いているデータでは、過去の自然災害と同等のものの影響を反映できるに過ぎないのであって、過去に経験しないような大きな規模の震災等が生じた場合の災害リスクには対応できないと考えているが、政府の認識を示されたい。

二 前回答弁書の「五について」では、「御指摘の「災害リスクを考慮する」ことについても、こうした観点から検討されるものと考えている。」との答弁がなされている。
 年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)において、基本ポートフォリオや管理運用方針等を検討するに当たって、こうした災害リスクの考慮を行っていることを示す議事録等の文書は存在するのか。また、十月三十一日に公表されたGPIFの中期計画の変更に伴う基本ポートフォリオの変更により、災害発生時における運用リスクはどのように増減したのか、定量的に明らかにされたい。

三 私は、前回質問主意書の質問五において、国際連合等の国際的な動向を紹介した上で、「GPIFの運用方針を考えるに当たり、こうした国際的な動向も参考にしつつ、災害リスクを考慮するつもりがあるのか」との質問を行った。しかし、答弁においては、これらの国際的な動向を考慮するか否かが明確にはなっていない。
 政府及びGPIFは、私が紹介したような国際的な動向を、GPIFの運用方針を考えるに当たって考慮しているのか否か明確に示されたい。また、考慮しているのであればその具体的な内容を明らかにされたい。

四 南海トラフ地震等、政府が将来発生する可能性が高いと考えている地震により、GPIFの運用において大きな損失が出た場合、第一義的な責任は誰にあるのか明らかにされたい。また、どのように責任を取るのか明らかにされたい。

  右質問する。