質問主意書

第187回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一一号

我が国のエボラ出血熱対策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年十月二日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   我が国のエボラ出血熱対策に関する質問主意書

 西アフリカで発生したエボラ出血熱は危機的様相を深めており、既に死者は三千人を超えたと報じられている。エボラ出血熱の感染範囲はアフリカ大陸からヨーロッパや北米大陸にまで拡大する可能性も否定できない。
 米国のオバマ大統領は「空気感染しないから、過度の心配はしないように」と述べつつも、「このままではウイルスの変種が生まれ、世界各地に広がりかねない。そうなればアメリカも深刻な事態に遭遇する」と警戒宣言を行っている。この背景には、アフリカ系住民の多い米国ではアフリカから野生動物の肉が合法、非合法に大量に運び込まれている事実がある。米国でも厳重な検疫体制が敷かれているが、現状のままでは、いつ防波堤が破られるかは時間の問題との指摘もある。史上最悪といわれるエボラ出血熱に対しては、我が国も防御体制を強化しなければならない。
 このような観点から、以下質問する。

一 我が国のエボラ出血熱に対する対策として、政府はどのような体制を取っているのか、具体的に示されたい。

二 我が国でエボラ出血熱の疑いのある者に対する検査を行うことができる施設の現状について、具体的に示されたい。

三 万が一、我が国国内でエボラ出血熱の患者が発見された際に患者が入院できる施設の現状について、具体的に示されたい。

四 米国で野生動物の肉によるエボラ出血熱の感染が危惧されているように、アフリカから野生動物の肉、又は野生動物そのものが合法、非合法に我が国に運び込まれる可能性も否定できないが、このような問題に対して十分な検疫体制が敷かれているのか。政府の取組を具体的に示されたい。

五 富士フィルム株式会社のグループ会社がエボラ出血熱に対する特効薬を開発し、これから臨床実験に着手するという報道があるが、政府の把握している内容につき具体的に示されたい。

六 日本赤十字社では、西アフリカ地域に緊急医療チームを派遣する計画を進めていると承知しているが、現地における人的支援について、政府としてどのような対策を考えているのか具体的に示されたい。

  右質問する。