質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五三号

内閣参質一八六第一五三号
  平成二十六年六月二十七日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員石橋通宏君提出モザンビーク農業開発のための三角協力プロサバンナ事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員石橋通宏君提出モザンビーク農業開発のための三角協力プロサバンナ事業に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「公開書簡」については、「熱帯サバンナ農業開発プログラム」(以下「プロサバンナ事業」という。)を中心となって進めているモザンビーク政府が、現在、回答を行うべく調整中であると承知している。

二及び三について

 御指摘の「全国キャンペーン プロサバンナにノー」に係る発表が行われたことは承知しているが、その背景については、政府としてお答えする立場にない。また、ナンプラ州においては、「ナカラ回廊農業開発マスタープラン策定支援プロジェクト」(以下「マスタープラン策定支援プロジェクト」という。)の基本的な方向性について現地市民の理解が得られていないことにより、平成二十五年十二月以降、モザンビーク政府と農民組織や市民社会団体との対話が中断しており、現在、同国政府から農民組織や市民社会団体に対し、対話の再開を呼びかけているところであると承知している。いずれにせよ、政府としては、同国政府に対し、農民組織や市民社会団体との対話を粘り強く続けるよう引き続き働きかけていく考えである。

四について

 「ナカラ回廊農業開発におけるコミュニティレベル開発モデル策定プロジェクト」(以下「コミュニティレベル開発策定プロジェクト」という。)は、地域の特性に応じた農業開発モデルを確立し、また、そのモデルの普及を担う農業普及員の育成や体制整備を行うことにより将来的な小規模農業者の生計向上を目指すことを目的とするものであり、マスタープランの策定を目的とするマスタープラン策定支援プロジェクトとは目的が異なるものであることを踏まえ、モザンビーク政府から、地元関係者に十分に説明を行いつつ進められてきているものと承知している。

五について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、コミュニティレベル開発策定プロジェクトにおいて、モザンビーク政府が試行的な生産活動を行うに当たり協力している団体は、御指摘の「マリア・ダ・ルス・ゲブザ・アソシエーション」を含む四団体であると承知している。四団体に対しては、同国政府から、独立行政法人国際協力機構の業務経費のうち技術協力プロジェクト関係費によって調達された約七十万円相当の種子、肥料、農薬等が無償で供与されるとともに、約六十万円相当の農業用ポンプ等の資機材が貸与されており、コミュニティレベル開発策定プロジェクトは、今後、平成三十一年まで実施されることとなっていると承知している。
 四団体は、コミュニティレベル開発策定プロジェクトの目的を踏まえて技術的観点から選定されたものであると承知しており、コミュニティレベル開発策定プロジェクトが「現政権の「選挙対策」になっている」との御指摘は当たらないものと考える。

六について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、ナンプラ州においては、平成二十五年から二年間の任期で農業土木又は野菜栽培を職種とする二名の青年海外協力隊員が派遣されており、関係者の依頼によりプロサバンナ事業が支援する農家に対して技術指導を行ったと承知している。政府としては、モザンビークの経済社会発展の支援の一環として青年海外協力隊を派遣しており、また、現地で活動する青年海外協力隊員の安全対策に関しては、万全を期している。

七について

 御指摘の「成果セミナー」においては、全部で十五の発表テーマのうち大豆に関するものは六つであったと承知している。また、「モザンビーク政府の技術者も・・・「小農の土地の収奪につながる」との見通しを述べた」とは承知していない。いずれにせよ、マスタープラン策定支援プロジェクトを進めるに当たっては、地元農民等が懸念する不当な土地収奪を防ぐ観点から、モザンビークの法律や現地事情を踏まえた農業投資ガイドラインの整備や、農業投資の管理・モニタリングを行うための仕組みの整備等を同国政府に対して求めていく考えである。