質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三四号

内閣参質一八六第一三四号
  平成二十六年六月二十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員小西洋之君提出集団的自衛権行使の解釈変更と憲法違反の関係に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員小西洋之君提出集団的自衛権行使の解釈変更と憲法違反の関係に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「憲法違反の内容の憲法解釈の変更の閣議決定」の意味するところが必ずしも明らかではないが、一般に、閣議決定は、法令の範囲内においてなされるものであり、内閣が、憲法違反の内容の閣議決定を行うことは考えられない。

二について

 お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難であるが、憲法前文の「われらは、これに反する一切の憲法、法令及び詔勅を排除する。」の意味は、人類普遍の原理である国民主権に反するような一切の憲法、法令及び詔勅を排除するとの意味であると理解している。

三について

 御指摘の憲法前文の箇所のうち、「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起ることのないやうにすることを決意し、」の趣旨は、戦争の主体が国家である、戦争を起こすことの決定は国政の運用に当たる国家機関によってなされるということに着目し、かつて体験したような戦争の惨禍が起こることがないようにするという日本国民の固い決意を表明したところにあると考えられ、これは憲法の基本原則の一つである平和主義を強調したものであり、また、「ここに主権が国民に存することを宣言し、この憲法を確定する。」の趣旨は、過去の戦争が国家機関の手によって行われ、その惨禍を日本国民が等しく受けたということに着目し、国民主権を確立することにより、過去のそのような例が起こることがないようにするという固い決意を表明したものであると理解している。

四について

 御指摘のとおり、憲法前文は、憲法のそれぞれの条文を解釈する場合の解釈上の指針としての意味を持っていると理解している。

五から八までについて

 「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」が平成二十六年五月十五日に報告書を提出したことを受けて、国民の命と平和な暮らしを守るため、あらゆる事態に切れ目のない対処を可能とするための国内法制の整備の在り方について、憲法解釈との関係も含め、現在、「安全保障法制整備に関する与党協議会」において協議が進められているものと承知しており、現時点において、集団的自衛権の行使容認を前提としたお尋ねにお答えすることは差し控えたい。