質問主意書

第186回国会(常会)

答弁書


答弁書第四三号

内閣参質一八六第四三号
  平成二十六年三月二十日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員藤末健三君提出国立国会図書館のパブリック・ドメイン資料の積極的な活用に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員藤末健三君提出国立国会図書館のパブリック・ドメイン資料の積極的な活用に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「国立国会図書館による情報アクセスの向上に係る取組」については、文学作品等を国民が鑑賞する機会を充実させるものであり、文化的に有意義なものであると考えている。

二について

 お尋ねの「国立国会図書館における資料のデジタル化を加速する」こと及び「近代デジタルライブラリーにおいて公開されているパブリック・ドメイン資料」のより簡便な利用手続の整備については、国立国会図書館において検討されるべきものであり、現時点において、政府として支援や検討を行うことは考えていない。なお、御指摘の「国立国会図書館における資料のデジタル化」については、著作権法の一部を改正する法律(平成二十一年法律第五十三号)により、国立国会図書館において、著作権の存続している図書館資料についても、その原本の滅失等を避けるために電子化することが可能となったところである。

三について

 御指摘の「文化庁eBooksプロジェクト」は、国立国会図書館が所蔵する電子化された資料を活用して電子書籍の制作と配信を行い、新たなビジネスモデルの可能性を検証するために文部科学省が実施した実証実験であり、実験結果を取りまとめた「電子書籍の流通と利用の円滑化に関する実証実験報告書」には、電子書籍の品質を確保することや、国立国会図書館が所蔵する電子化された資料に係る商業利用を想定した手続の整備を行うこと等が課題として示されている。また、同報告書には、民間事業者等が既存の電子化された資料を活用して電子書籍の制作等を行う場合の参考となる資料も掲載されている。政府としては、民間における新たなビジネスモデルの構築に資するよう、同報告書を国立国会図書館に提供するとともに、文化庁のホームページ等を通じて周知しているところである。