質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一七六号

「慰安婦」問題に関する第三回質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年六月二十日

藤田 幸久   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   「慰安婦」問題に関する第三回質問主意書

一 私が提出した「「慰安婦問題」に関する再質問主意書」(第百八十六回国会質問第一一六号)に対する答弁書(内閣参質一八六第一一六号。以下「答弁書」という。)の一についてによれば、戦時中において慰安婦制度は合法であったかどうか不明であるとのことであるが、現職閣僚が記者会見において一方的に合法であったと主張するのは不適切と思われる。内外への影響を考慮し、政府は当該閣僚に注意し、訂正を求めるべきではないか。

二 一九九一年(平成三年)十二月から一九九三年(平成五年)七月までの「慰安婦」問題に関する第一次、第二次調査の後に、政府として「慰安婦」問題に関する調査や資料収集を行ってきたか。行ってきた場合には、その内容と政府内の担当部門を明らかにされたい。また、収集した資料の保管場所、資料収集及び分析の責任者を明らかにするとともに、当該資料がどのように活用されてきたのか、併せて示されたい。

三 答弁書の四についてによれば、刑法(明治四十年法律第四十五号)第二百二十六条第一項及び同条第二項は、一九一〇年(明治四十三年)以降、日本が併合した朝鮮半島にも適用されたことになる。一九一〇年八月から一九四五年(昭和二十年)八月までの間、当時は日本国民であった朝鮮人婦女子を国外に移送する目的で略取し、又は誘拐し、その結果訴追されたり、処罰を受けた事例があるか。

四 ユネスコ記憶遺産に、中国が「慰安婦」関係の資料や史跡を申請し、韓国もこれに連携することを明言したと報じられている。日本からも同遺産への申請と登録を争う際に、負の歴史が清算されていないことが、登録実現の障害になるのではないかとの懸念がある。これまで政府は、「慰安婦」の展示や像建設に反対してきた。一方で「慰安婦」の申請に反対を呼びかけながら、他方で日本の申請には各国の賛同・支持を求めるという呼びかけは、国際的には通用しにくいと思われる。国宝「東寺百合文書」と戦後のシベリア抑留と引揚げに関する資料の同遺産登録を心より願うものであるが、政府は登録実現に向けてどのような活動を展開していく方針か、明らかにされたい。

  右質問する。