質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一七四号

専守防衛と集団的自衛権の行使容認との関係に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年六月二十日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   専守防衛と集団的自衛権の行使容認との関係に関する質問主意書

 防衛白書によれば、専守防衛とは、「相手から武力攻撃を受けたときにはじめて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、また、保持する防衛力も自衛のための必要最小限のものに限るなど、憲法の精神に則った受動的な防衛戦略の姿勢をいう」と定義付けられている。
 他方、五月十五日に行われた安倍総理の記者会見では、「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」報告書を受けて、限定的に集団的自衛権を行使することは許されるとの考え方について、政府として研究を進めるとの方針を明らかにしたところである。
 そこで、以下質問する。

一 集団的自衛権とは、自国が直接攻撃されていないにもかかわらず、他国に加えられた武力攻撃を阻止することを内容とするものであり、その行使を認めることは、明らかに専守防衛の考え方と矛盾するものと解せられるが、政府の見解を明らかにされたい。

二 六月三日の参議院外交防衛委員会において、岸田外務大臣は、集団的自衛権の議論については、専守防衛を始めとする平和国家の歩みと矛盾しない形で進められていく旨の発言をしているが、政府における集団的自衛権の議論においては、専守防衛の考え方を変更しないことを前提に行うものと解してよいか、又は、変更の余地もあり得るとの前提で行うものと解してよいか、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。