質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一六三号

我が国半導体産業の国際競争力強化に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年六月二十日

石上 俊雄   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   我が国半導体産業の国際競争力強化に関する質問主意書

 我が国半導体産業はかつて、高品質・低価格を背景に世界を席巻し、売上高ナンバーワン企業の輩出、上位十社中六社のランクイン、国別で世界市場五十パーセントの占有など、一九八〇年代後半には日の丸半導体の黄金期を謳歌した。しかし現在までに、新興国の参入、製品のコモディティ化、また、いわゆる六重苦問題(法人税、電気料金、為替、貿易協定対応、環境対策費、労働規制)等のために、メモリとセンサー以外では、国際競争力が著しく低下している。日本企業が再び輝きを取り戻し、海外企業とのグローバル競争を勝ち抜くには、個社における技術や経営に関するイノベーションが不可欠だが、その土台となる、国際比較における事業環境のイコールフッティングも極めて重要であり、国による戦略的、重層的、加速度的な施策が強く求められている。
 そこで、以下質問する。

一 以前は「産業のコメ」、今では社会に不可欠な「社会のコメ」と呼ばれる半導体の産業としての位置付け、また我が国経済における重要性に関して、政府の見解を明らかにされたい。

二 我が国の半導体産業が抱える問題点と課題を何と認識しているか、いかにすればかつての国際競争力を取り戻し、海外企業とのグローバル競争を勝ち抜くことができると考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

三 我が国の半導体産業の国際競争力強化における経営環境のイコールフッティングの重要性に関して、政府の見解を明らかにされたい。また、①海外競合国との比較で高い法人実効税率の引下げ、②国際的に稀な償却資産税制(償却資産に係る固定資産税)の制度廃止、③研究開発促進税制における控除率、繰越期間等の制度拡充、④欧米諸国で検討・導入されているパテントボックス税制の導入、⑤電力の安定供給と海外競合国との比較で高い電力料金問題の解消、⑥過度の円高解消や為替の安定化、⑦加速度的な規制緩和(特に、国内外における技術進歩取り込みペースの同程度化や、国内における個別企業・自治体間許認可協議に基づくいわばグレーゾーン解消情報の全国展開)、⑧半導体模倣品の駆逐に向けた認証トレーサビリティの標準化推進、また流通経路における監視強化など流通リスク増大への対応、⑨海外の実用新案制度不備による訴訟リスク増大に対する国際的調和の対応、⑩各国における新たな化学物質規制法制化に対する国際的調和の対応、⑪長期供給製品への対応に関する国内外の仕組みの同等化支援、⑫他国と比較して震災被災の可能性が高い我が国における事業継続計画(BCP)とサプライチェーンの強化支援、⑬半導体による省エネ貢献の寄与に関わるインセンティブメカニズムの導入、以上の各項目に関する政府の現在までの政策、今後検討している政策の方向性及びその判断根拠を具体的に示されたい。

  右質問する。