質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一一九号

憲法解釈の変更を内閣総理大臣が主導することに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年六月六日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   憲法解釈の変更を内閣総理大臣が主導することに関する質問主意書

 報道によると、安倍内閣総理大臣は、「憲法解釈の変更を行う場合はですね、閣議決定を行い、そして国会で議論していただくことになります。」と述べたとされている。この発言に関して、以下質問する。

一 国民主権の下、憲法上内閣の首長である内閣総理大臣は、日本国憲法第四十一条に規定される「国権の最高機関」である国会に対する内閣の責任を果たすため、日本国憲法第九十九条に定められるよう「憲法を尊重し擁護する義務を負ふ」とともに、同第七十三条第一号で定められるよう「法律を誠実に執行」しなければならない。それが議院内閣制の下で、内閣総理大臣に課された最大の責務であると考えるが、いかがか。

二 内閣総理大臣は、日本国憲法第九十八条に規定されるよう主権者である国民が定めた国の最高法規である憲法に厳重に縛られて職務を遂行する法的立場にあり、憲法上疑義のある行為は一切許されないと考えるが、いかがか。

三 集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更は、歴代内閣が否定してきたことから、明らかに憲法上疑義のある行為であると考えるが、いかがか。

四 憲法上疑義のある憲法解釈の変更を内閣総理大臣が主導し、閣議決定を行うことは、明らかに日本国憲法第九十九条に定められる憲法尊重擁護義務に反すると考えるが、いかがか。

五 内閣が行政権の行使について国会に対する責任を果たすために、集団的自衛権の行使を認める憲法解釈の変更が必要であると内閣総理大臣が考える場合でも、憲法解釈の変更について国会で議論するよう要請する旨の閣議決定しかできないと考えるが、いかがか。

  右質問する。