質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇九号

墓参訪朝に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年五月二十六日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   墓参訪朝に関する再質問主意書

 先般提出した「墓参訪朝に関する質問主意書」(第百八十六回国会質問第九三号。以下「質問主意書」という。)に対する答弁書(内閣参質一八六第九三号)を受けて、以下再度質問する。

一 質問主意書の質問一に対し、答弁書では「民間が独自に行う北朝鮮への墓参に関し、政府として財政的支援を講ずることは考えていない」とあるが、北朝鮮領内に残る二万柱余りの日本人の遺骨は、日本政府の植民地政策によって移住した人や、シベリア抑留後に現在の北朝鮮地域に連行された旧日本軍兵士など、政府の方針に従った結果、同地で亡くなった方々である。過去の政策によって生き別れた遺族が墓参するに当たって、その公的手段がない中で、民間有志が手弁当で遺族のために実施している墓参訪朝に対し「財政的支援を考えていない」と一刀両断するのは基本的人権を尊重する観点からも問題があるのではないか。公的手段で墓参訪朝できるよう手配し、それが難しいのであれば往復にかかる経費だけでも支援するべきであると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

二 質問主意書の質問二に対し、答弁書では「北朝鮮に残された日本人の遺骨の問題については、引き続き、関係する行政機関が連携して適切に対応してまいりたいと考えている」とある。関係するどの行政機関が、どのように連携し、どのように対応してきたのか明らかにされたい。また、今後、対応する行政機関が、どのように連携、対応するのか、その中身を具体的に示されたい。

三 朝鮮戦争時の米国兵士の遺骨帰還のために、米国政府が遺骨の数に応じて金銭を支払ったとの情報について、政府の承知するところを明らかにされたい。また、日本人の遺骨帰還のために、北朝鮮が遺骨の数に応じて金銭を要求することが過去にあったのか、明らかにされたい。

四 厚生労働省によると、旧日本軍の軍人・軍属で本籍地が北朝鮮である遺骨が、東京都目黒区の祐天寺に四百二十五柱眠る。人道的観点から、帰還先が分かる遺骨については、北朝鮮に眠る日本人の遺骨と相互に帰還できるよう外交ルートを通じて働きかけるべきであると考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。