質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一〇四号

我が国の海上輸送路としての南シナ海に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年五月二十六日

浜田 和幸   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   我が国の海上輸送路としての南シナ海に関する質問主意書

 我が国は石油輸入の九割を中東など産油国からの供給に依存しており、エネルギー安全保障上、産油国から日本に至る海上輸送路の安全確保は国家の死活的利益と密接に関連している。しかしながら、昨今の南シナ海での中越などの領土紛争は、このような我が国の海上輸送路の安全確保に重要な影響を及ぼし得る事態として憂慮せざるを得ない。
 このような観点から、以下質問する。

一 マラッカ海峡を経て南シナ海を通る我が国への原油、天然ガス等のエネルギー資源に係る年間の物流量について、過去三年間の数値を示されたい。

二 南シナ海を経由する我が国への原油や天然ガスの輸入量は、我が国の輸入量全体に対してどの程度の割合を占めるのか、過去三年間の数値を示されたい。

三 南シナ海において領海紛争が生じ、我が国の海上輸送路の安全確保ができなくなった場合、代替的な海上輸送路をとる必要があるが、過去に資源エネルギー庁等が「石油輸送に関する現状について」とする資料を作成し、かかる事態を想定した代替ルートの検討を行っていると承知している。このような代替ルートの検討事例について、過去三年間の検討主体、検討結果を含む政府の取組を具体的に示されたい。

四 ペルシャ湾からインド洋を経て、マラッカ海峡・バシー海峡を通過して東京湾に至る場合、平均的な原油タンカーの航行日数は二十一日という結果を独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構の研究者が発表している。この日数は現在でも妥当なものか、政府の見解を示されたい。

五 ペルシャ湾からマラッカ海峡・バシー海峡を通過して東京湾に至る場合と比べて、ペルシャ湾からロンボク海峡・マカッサル海峡を通過して東京湾に至る場合、平均的な原油タンカーであればどの程度航行日数が延びることになるのか、また、輸送コストはどの程度上昇すると考えているのか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。