質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第七五号

米軍用車両の有料道路利用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年四月十七日

糸数 慶子   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   米軍用車両の有料道路利用に関する質問主意書

 在日米軍の公務のために使用される車両については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(以下「日米地位協定」という。)第五条第二項の規定に基づき、有料道路通行料金が課されないものと解され、当該車両の有料道路通行に際して在日米軍当局より軍用車両有料道路通行証明書(以下「通行証」という。)が発行され、後日、防衛省は有料道路事業者の申請に基づき、有料道路の通行料金相当額を補償している。
 平成二十年四月以降の国会質疑等において、レジャーや観光等の目的に使用されるバスやレンタカーにも通行証が発行されているとの指摘がなされ、平成二十一年十一月に公表された平成二十年度決算検査報告においては、会計検査院より、在日米軍が使用した通行証が「公の目的」のために使用されたものであることを確認するため、当該通行証の記載事項を適切に調査、確認するなどの体制を整備するよう改善の処置が要求された。
 これを受けて防衛省は、通行証の確認体制等を整備するとともに、在日米軍側に対し、福利厚生機関所有の車両で個人的なレジャーや観光等の目的による使用については通行証の発行を行わないよう申入れを行った。これに対して、在日米軍側からは日米地位協定等により通行証の使用は認められているとの主張があり、本件については、日米地位協定上の解釈に係る事案であることから、日米合同委員会の下で協議が行われるよう調整されることとされたと承知しているが、その後の状況は明らかでない。
 よって、以下質問する。

一 平成二十年度以降における通行証を使用した車両の各年度の有料道路の通行台数及び防衛省が負担した補償額を明らかにされたい。そのうち、沖縄における通行台数及び防衛省が負担した補償額を明らかにされたい。

二 会計検査院の指摘に基づく通行証の記載事項の調査・確認は、何年度分から行ったのか。また、そのうち実際に在日米軍に確認等を行った件数及び公務のために使用されていないことが判明した件数・額を使用年度ごとに全国分と沖縄分について、それぞれ明らかにされたい。

三 前記二に関して、公務のために使用されていない事例が確認された際に、防衛省としては、米軍に対する補償額の返済要求等具体的にどのような対応を行ったのか、明らかにされたい。

四 通行証の使用に関する日米地位協定上の解釈に係る事案に対する政府の見解及び日米合同委員会における協議の経過と結果を明らかにされたい。

  右質問する。