第186回国会(常会)
質問第五六号 米軍嘉手納基地ポリ塩化ビフェニール(PCB)汚染隠ぺいに関する質問主意書 右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。 平成二十六年三月三十一日 糸数 慶子
参議院議長 山崎 正昭 殿 米軍嘉手納基地ポリ塩化ビフェニール(PCB)汚染隠ぺいに関する質問主意書 一部報道によれば、一九八六年に米空軍嘉手納基地で変圧器から有害なポリ塩化ビフェニール(以下「PCB」という。)を含む油が漏れ出た事故に関連し、米軍は翌一九八七年の調査で事故現場周辺の土壌から基準値を大幅に上回る有害なPCBが検出されたにもかかわらず、日本側に伝えず、除染作業も行っていなかったこと(以下「本件事案」という。)が明らかになった。これについて、以下質問する。 一 本件事案について、政府の承知しているところを明らかにされたい。 二 本件事案について、米軍はPCBによる土壌汚染を認知していながら日本側に伝えておらず、除染作業も行っていない。これに対し政府は抗議すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。 三 PCBとはいかなる物質か、また、人体にどのような影響があるのか、政府の承知しているところを明らかにされたい。 四 本件事案におけるPCB濃度について、日本の環境基準によると、どの程度であったのか明らかにされたい。 五 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(日米地位協定)第四条第一項は、「合衆国は、(中略)日本国に施設及び区域を返還するに当たって、当該施設及び区域をそれらが合衆国軍隊に提供された時の状態に回復し、又はその回復の代りに日本国に補償する義務を負わない。」としている。今後、米国から在沖縄米軍施設及び区域が返還される際に原状回復を求める意思はあるか、政府の見解を明らかにされたい。 六 在沖縄米軍施設及び区域において、今日まで検出された環境汚染物質の全てについて、検出された施設、区域名、検出された日付、除染作業の有無を明らかにされたい。 七 在沖縄米軍基地内における環境汚染は、基地内周辺住民及び基地外の沖縄県民の生活環境へも多大な悪影響を及ぼすことは必至である。国民の生活環境を保全するために、基地内における徹底的な環境調査を行うとともに、米国に対して、基地内の環境汚染の再発防止を求めるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。 右質問する。 |