質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第五五号

集団的自衛権の行使及び日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年三月二十八日

山本 太郎   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   集団的自衛権の行使及び日米防衛協力のための指針(ガイドライン)に関する質問主意書

 集団的自衛権の行使及び日米防衛協力のための指針(以下「ガイドライン」という。)に関して、以下質問する。

一 新聞報道によれば、「政府は、集団的自衛権の行使を可能にするため、秋の臨時国会で有事に備える武力攻撃事態法や自衛隊法など十本を超える既存の個別法を改正する方向で調整に入った。」とあるが、この報道は事実か。また、改正を予定している既存の個別法とは何を指すのか、具体的に示されたい。

二 自民党が平成二十四年の衆院選や平成二十五年の参院選の公約に明記した「国家安全保障基本法」を、国会に提出する予定はないのか。
 「国家安全保障基本法」は集団的自衛権行使の理念を盛り込み、政権が替わるたびに集団的自衛権に関する政府見解が変更されるのを避けるため制定するはずであったと考えられるが、「国家安全保障基本法」を制定しなければ、政権が替わるたびに政府見解が変更される懸念があるのではないか、政府の見解を明らかにされたい。

三 平成二十五年十月三日、日米安全保障協議委員会(以下「二プラス二」という。)でガイドラインの見直しが協議された。また、二プラス二では集団的自衛権の行使に関する事項を含む自国の安全保障の法的基盤の再検討についても協議されている。集団的自衛権は、国内で個別法を改正しただけでは行使できず、同盟国の了承がなければ行使できないのではないか。つまり、ガイドラインが改正されるまで集団的自衛権の行使は実行できないということではないのか、政府の見解を明らかにされたい。

四 二プラス二の共同発表では、「アジア太平洋地域及びこれを超えた地域における安全保障及び防衛協力の拡大、並びに在日米軍の再編を支える新たな措置の承認を基礎としていく。」とある。この「これを超えた地域」とは、どこを指すのか、具体的に示されたい。

五 ガイドラインは、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安全保障条約」という。)のための運用マニュアルであるはずである。日米安全保障条約第五条では、「日本国の施政の下にある領域」と対象地域が限定されている。アジア太平洋地域及びこれを超えた地域における安全保障及び防衛協力の拡大は、日米安全保障条約の趣旨を逸脱しているのではないか、政府の見解を明らかにされたい。

六 前記五に関して、日米安全保障条約の趣旨を逸脱している場合、ガイドラインの改正だけでなく、日米安全保障条約の改正も必要なのではないか、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。