質問主意書

第186回国会(常会)

質問主意書


質問第一四号

食品の放射能汚染による健康障害に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十六年二月十二日

山本 太郎   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   食品の放射能汚染による健康障害に関する質問主意書

 平成二十五年十一月にウクライナから来日したタチアナ・アンドロシェンコ氏によれば、放射能の汚染レベルが高いキノコと川魚を食べないようにすると、放射能汚染地域だけでなく非汚染地域でも健康障害が改善するとのことである。具体的には以下の事例を挙げ、頭痛と足痛が大幅に改善したと、昨年十一月二十一日に衆議院議員会館で開催された講演会で述べている。
 アンドロシェンコ氏の現地調査によれば、ウクライナの非汚染地域にあるコヴァリン村において、平成二十四年十一月に、頭痛がしていた児童十三人のうち、右食品の摂取を忌避することにより、ほぼ一年後の平成二十五年十月時点で、頭痛が解消した児童は五人、頭痛が改善した児童は八人だった。それらの児童の家族も同食品の摂取を忌避していると、平成二十五年十月時点において、頭痛がしていた大人二十人のうち、頭痛が改善した者は十九人おり、全くの未改善者は一人だった。
 また、同調査において、当初、足痛がしていた児童は十一人いたが、一年後に足痛が解消した児童は三人、足痛が改善した児童は八人だった。
 大人では、当初、足痛があった十八人全員の症状が改善した。
 アンドロシェンコ氏が放射線管理区域にあるビグニ村において行った調査では、平成二十五年一月からキノコと川魚に加えて、ベリー類も食べないようにすると、同年十月時点で、頭痛がしていた児童五人のうち、頭痛が解消した児童は二人、頭痛が改善した児童は三人だった。それらの児童の家族では、当初、頭痛がしていた大人十一人全員の症状が改善した。
 また、同調査において、当初、足痛がしていた児童五人のうち、症状が解消した児童は三人、症状が改善した児童は二人だった。
 大人では、当初、足痛がしていた十一人全員の症状が改善した。
 第百八十五回国会の参議院内閣委員会における私の質問に対して、平成二十五年十一月五日、森まさこ内閣府特命担当大臣(消費者及び食品安全)は、「科学的な知見に基づき、(中略)平成二十三年十月に食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価を取りまとめ、厚生労働省に答申したところでございます」と答弁している。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 政府は、東京電力福島第一原子力発電所事故による健康問題について、完全に問題のないようにするために、抜本解決に向けたプログラムを責任を持って決定し、着手し、実行していくことを約束している。そのためにチェルノブイリ原子力発電所事故後のウクライナの健康問題について、これまで、どのような知見を得て、どのように参考にし政策に反映させたか、政府の見解を明らかにされたい。

二 日本のNPO法人「食品と暮らしの安全基金」(以下「安全基金」という。)が、ウクライナの放射能被害、健康被害を防ぐために放射能に汚染されていない食材による食事を摂る「食事改善プロジェクト」を実践している。政府はこの事実を把握しているか。また、同プロジェクトの意義、有効性について、政府の見解を明らかにされたい。

三 安全基金のウクライナでの取組からは、放射能による頭痛や足痛などの「痛み」が報告されている。放射能による健康被害として、頭痛や足痛などの「痛み」の症例を政府は承知しているか。安全基金のウクライナにおける取組の報告について、政府の見解を明らかにされたい。

四 食品安全委員会が食品中に含まれる放射性物質の食品健康影響評価を取りまとめた際に用いた資料の中で、頭痛と足痛に関する資料はあるか。ある場合には、その資料名を具体的に明らかにされたい。

五 前記四に関して、頭痛と足痛に関する資料がある場合、頭痛と足痛の原因となった食品中に含まれる放射性セシウムの最低値は一キログラム当たり何ベクレルであるか、政府の承知するところを示されたい。

  右質問する。