質問主意書

第185回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第五四号

内閣参質一八五第五四号
  平成二十五年十一月十九日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員山本太郎君提出奨学金に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員山本太郎君提出奨学金に関する質問に対する答弁書

一について

 独立行政法人日本学生支援機構(以下「機構」という。)が実施する奨学金事業における奨学金の返還期限の猶予期間については、限られた財源の中で多くの学生等に奨学金を貸与することができるよう、生活保護を受けている等の事情がある場合を除き、最長五年とされているところである。なお、文部科学省においては、返還期限の猶予期間を最長十年に延長するための経費を平成二十六年度予算の概算要求に計上しているほか、機構においては、平成二十四年度から、奨学金の受給者が卒業後、一定の収入を得るまでの間、その返還を猶予する「所得連動返還型無利子奨学金制度」を導入している。

二について

 機構が実施する奨学金事業における返還金の充当の順序は、民法(明治二十九年法律第八十九号)第四百九十一条第一項の規定に準じて定めているものと承知している。

三について

 文部科学省においては、一についてで述べたとおり、奨学金の返還が困難となった者の負担の軽減に取り組んでいるところであるが、機構が実施する奨学金事業における延滞金は、奨学金の返還が可能な者に対し期限までに返還するよう促すとともに、期限までに返還している者との公平性を確保するために賦課しているものである。

四について

 御指摘の「日立キャピタル債権回収株式会社は二十一億九千五百四十五万三千八十一円を回収し、一億七千八百二十六万円を売り上げ、エム・ユー・フロンティア債権回収株式会社は二十億三千九百二十七万九千四百七十五円を回収し、一億三千四百七十一万円を売り上げている」の意味するところが必ずしも明らかではないが、機構は、日立キャピタル債権回収株式会社及びエム・ユー・フロンティア債権回収株式会社との間で奨学金に係る債権回収のための委託契約を締結しており、当該委託契約に基づき、両社に対し、債権回収に係る手数料を支払っているところである。
 また、両社が奨学金に係る債権回収を実施するに当たっては、機構が両社に対して示している「業務内容等説明書」に基づき「低収入等で返還が困難な者に対する返還期限猶予指導」等を行うこととされているほか、債権管理回収業に関する特別措置法(平成十年法律第百二十六号)及び平成十一年四月に法務省が策定した「債権回収会社の審査・監督に関する事務ガイドライン」に基づき、同省において両社に対する監督が行われており、奨学金の返還が困難となった者に配慮した適切な債権回収が行われているものと承知している。