質問主意書

第185回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第四号

内閣参質一八五第四号
  平成二十五年十月二十五日
内閣総理大臣 安倍 晋三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿

参議院議員江口克彦君提出東京電力株式会社福島第一原子力発電所の汚染水問題に対する政府の取組に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員江口克彦君提出東京電力株式会社福島第一原子力発電所の汚染水問題に対する政府の取組に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 いわゆる汚染水への対応については、東京電力株式会社(以下「東京電力」という。)に対し、政府・東京電力中長期対策会議(当時)が平成二十三年十二月二十一日に取りまとめ、東京電力福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議が平成二十五年六月二十七日に改訂した「東京電力(株)福島第一原子力発電所一~四号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」に沿った取組を行うことを求め、これを受け、東京電力において、海側遮水壁の設置や多核種除去設備の導入、地下水バイパスの設置工事等の取組を進めてきたが、放射性物質により汚染された地下水の同発電所の港湾内への流出、汚染水貯水タンクからの汚染水の漏えい等、これまでの東京電力の対応では不十分な点も明らかになってきた。このため、東京電力任せにするのではなく、国が前面に出る必要があると判断し、同年九月三日の原子力災害対策本部において、「東京電力(株)福島第一原子力発電所における汚染水問題に関する基本方針」(以下「基本方針」という。)を決定し、これに基づき、凍土方式の陸側遮水壁の構築の支援等に取り組んでいるとともに、今後、想定されるリスクを広く洗い出し、予防的かつ重層的に、抜本的な対策を講ずることとしている。

三について

 基本方針において講ずることとしている個別の対策及びそのスケジュールについては、東京電力の福島第一原子力発電所の状況を踏まえたものであり、その実現に向けて引き続き取り組んでまいりたい。このうち、技術的難易度が高く、国が前面に立って取り組む必要があるものについて財政措置を進めることとしているところ、具体的には、凍土方式の陸側遮水壁の構築及びより高性能な多核種除去設備の実現をその対象とすることとしている。

四について

 東京電力の福島第一原子力発電所においては、汚染水貯水タンクからの汚染水の漏えい等の個々の事象は発生しているが、同発電所の港湾外における海水の放射線モニタリングの結果によれば、放射性物質の濃度は検出できないほど低いか、基準濃度をはるかに下回っている状況にある。このため、汚染水による放射性物質の影響が見られるのは同発電所の港湾内の〇・三平方キロメートルに完全にブロックされており、全体として状況はコントロールされていると考えている。