質問主意書

第185回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九七号

福島原発事故収束に関する政府の基本認識に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年十二月六日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   福島原発事故収束に関する政府の基本認識に関する質問主意書

 福島第一原子力発電所(以下「福島第一原発」という。)の廃炉・汚染水対策に関して、「国が前面に立って責任をもつ」と言明する安倍晋三首相は、平成二十五年十月十八日の衆議院本会議では、福島第一原発の汚染水問題について「福島近海での放射性物質の影響は、発電所の港湾内の〇・三平方キロメートルにブロックされています。このため、全体として状況はコントロールされております」と述べた。しかし、福島第一原発ではその後も汚染水漏えいは続き、地下水の放射性物質による汚染の報告もされている。汚染水対策の三つの基本方針としては、「汚染源を取り除く、汚染源に水を近づけない、汚染水を漏らさない」が挙げられているが、それら三つの対応のいずれにおいても、いまださしたる成果が見られないように思えてならない。
 よって、以下質問する。

一 福島第一原発の汚染水問題について安倍首相は、何を根拠として「状況はコントロールされている」と言明しているのか。

二 福島第一原発で高濃度汚染水約三百トンが漏れた地上タンク付近にある地下水観測用井戸から、十月十七日に採取した水を調べたところ放射性物質のトリチウム(三重水素)が一リットル当たり七十九万ベクレル検出された。同月十日に測定した一リットル当たり三十二万ベクレルの約二・五倍で過去最大値となる。この井戸からは放射性ストロンチウム九〇など他のベータ線を出す放射性物質も、過去最大値の同四十万ベクレルが検出されている。また、同十七日に採取したタンク近くの排水溝の水からも、ストロンチウム九〇などが一リットル当たり三万四千ベクレルが検出されているが、こうした状況が継続していてもなお、福島第一原発はコントロール下にあると認識しているのか、政府の見解を明らかにされたい。

三 茂木経済産業大臣を議長とする東京電力福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議が、平成二十五年六月二十七日に発表した「東京電力(株)福島第一原子力発電所一から四号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ」では、一から三号機の燃料デブリの取出しを平成三十二年以降からと前倒しで予定している。一から三号機内の燃料デブリの状況は、政府が言う「コントロール下」ではどのような状況にあるとみているのか、現時点で把握している状況について示されたい。

  右質問する。