質問主意書

第185回国会(臨時会)

質問主意書


質問第九六号

福島原発事故収束に向けての政府の取組体制に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年十二月六日

牧山 ひろえ   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   福島原発事故収束に向けての政府の取組体制に関する質問主意書

 平成二十五年十月十五日の第百八十五回国会開会に当たり、安倍内閣総理大臣は福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水対策に関して、所信表明演説の中で「東京電力任せにすることなく、国が前面に立って責任を果たしてまいります」と発言した。この「国が前面に立って責任を果たす」との言葉は、政府の原子力災害対策本部等において総理がしばしば述べていたのであるが、そのために政府が採っている体制が真に「国が前面に立って責任を果たす」と言えるものであるかどうか定かではないまま、事実上事業者任せの状況が続いている。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 「国が前面に立つ」ために採られている政府の体制とは、平成二十三年三月十一日の福島第一原子力発電所事故発生を受けて原子力災害対策特別措置法に基づき、内閣総理大臣を本部長として設置された原子力災害対策本部(以下「本部」という。)の下に、平成二十五年二月八日に経済産業大臣を議長として設置された東京電力福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議(以下「推進会議」という。)及び平成二十五年九月三日に内閣官房長官を議長として設置された廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議(以下「閣僚等会議」という。)を配したものを指すのか、示されたい。

二 閣僚等会議は放射能汚染水問題が露呈したのに対処して「東京電力(株)福島第一原子力発電所の廃炉・汚染水問題の根本的な解決に向けて、事業者任せにするのではなく、政府が総力をあげて取り組むため」に設置されたとのことだが、それに先立ち推進会議が「「東京電力(株)福島第一原子力発電所一から四号機の廃止措置に向けた中長期ロードマップ」の進捗管理を行うとともに、重要事項を審議、決定する体制を構築する」と称して設置されている。この両者はどのような関係にあるのか。即ち、どのように業務及び責任を分担し、どのように相互に連携しているのか、政府の見解を明らかにされたい。

三 本部及び閣僚等会議の下に置かれた経済産業大臣をチーム長とする廃炉・汚染水対策チームのいずれにも、原子力規制委員会委員長が「副本部長」等として参画している。これは原子力規制委員会が、「一の行政組織が原子力利用の推進及び規制の両方の機能を担うことにより生ずる問題を解消するため」(原子力規制委員会設置法第一条)、「国家行政組織法第三条第二項の規定に基づいて」(同法第二条)内閣に対して強い独立性を持つ、いわゆる三条委員会として設置された主旨に悖ると考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。