質問主意書

第185回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六八号

二〇一三年度における経常収支赤字化の可能性と財政への影響に関する再質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年十一月二十五日

藤末 健三   


       参議院議長 山崎 正昭 殿



   二〇一三年度における経常収支赤字化の可能性と財政への影響に関する再質問主意書

 私は、我が国における貿易赤字の拡大が経常収支の赤字化につながることが懸念され、財政への影響を軽視することができないとの観点から、去る十一月八日に「二〇一三年度における経常収支赤字化の可能性と財政への影響に関する質問主意書」(第百八十五回国会質問第四八号)を提出した。
 しかしながら、これに対して十一月十九日に提出された内閣の答弁書(内閣参質一八五第四八号)(以下「前回答弁書」という。)においては、最近の経常収支統計や貿易統計の実績を踏まえた上での今後の見通しが全く示されておらず、財政への影響についても明確な見解を示していない。経済政策・財政政策に責任を負うべき内閣の答弁としては、不十分であると言わざるを得ない。
 そこで、改めて以下質問する。

一 前回答弁書では、平成二十五年度の経常収支・貿易収支の予測について、二月二十八日に閣議決定された「平成二十五年度の経済見通しと経済財政運営の基本的態度」(以下「政府経済見通し」という。)における見込みの数値をもって答弁が行われている。
 一方、十一月十一日に財務省が公表した「平成二十五年度上期中国際収支状況(速報)の概要」によると、平成二十五年度上期の貿易収支は約四・七兆円の赤字であり、前年同期比で約二兆円の赤字幅拡大となった。所得収支の黒字幅拡大により、経常収支の黒字幅は前年同期比で六期ぶりに拡大したものの、昭和六十年度上期以降では過去二番目に低い水準とされている。
 また、十一月二十日に財務省が発表した「平成二十五年十月分貿易統計(速報)の概要」では、十月まで十六か月連続の貿易赤字であったことも明らかとなっている。
 こうした最近の統計を踏まえれば、政府経済見通しで示した見込みをもって答弁することは適当ではなく、現時点での可能な限りの予測値を示すべきである。改めて、最近の統計を踏まえた二〇一三年度の貿易収支及び経常収支をどの程度と予測しているかを示されたい。

二 我が国は、主要先進国と比較して大幅な財政赤字及び債務・純債務残高(対GDP比)を抱えていることが明らかであり、今後も国債を国内で安定消化していくことが重要である。そのためには、経常収支が赤字化した場合の国債発行に与える影響について、政府が明確な見解を持ち、責任ある対応を進めていくことが当然に求められる。
 しかし、前回答弁書はこうした点に対しいかなる認識を示すこともなく「一概にお答えすることは困難である」と答弁しており、国会議員の質問に対する答弁としては極めて問題があるものと言わざるを得ない。改めて、経常収支の赤字化が国債の安定的な消化に及ぼす影響について、政府の認識を示されたい。

  右質問する。