質問主意書

第183回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三八号

内閣参質一八三第一三八号
  平成二十五年七月二日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三   


       参議院議長 平 田 健 二 殿

参議院議員紙智子君提出北海道外アイヌの民族認定と奨学金事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員紙智子君提出北海道外アイヌの民族認定と奨学金事業に関する質問に対する答弁書

一の1について

 御指摘の実施機関(以下「実施機関」という。)及び御指摘の第三者委員会(以下「第三者委員会」という。)については、政府が北海道外に居住するアイヌの人々を対象とする施策(以下「道外アイヌ施策」という。)を実施するに当たり、道外アイヌ施策の対象者の認定に係る役割を担うことが想定されており、アイヌ「民族の構成員を民族みずからが決定する」機関であるとは想定されていない。

一の2について

 道外アイヌ施策の対象者の範囲については、北海道が実施する北海道アイヌ生活向上関連施策の対象者の範囲を踏まえ、設定することとしているが、政府がアイヌ「民族の構成員」を認定するものではない。

一の3並びに二の2及び3について

 道外アイヌ施策の対象者の認定については、内閣官房アイヌ総合政策室の指導の下、実施機関において、第三者委員会の意見等を踏まえて行われることが想定されており、同室において、道外アイヌ施策に係る事務の全部を実施機関に委任することは想定されていない。
 また、第三者委員会の在り方については、道外アイヌ施策の対象者の認定について透明性及び客観性を担保する観点から、今後検討してまいりたい。

二の1について

 アイヌ政策推進会議政策推進作業部会においては、道外アイヌ施策の対象者の認定に係る事務について、実施機関に求められるアイヌ民族に対する理解やアイヌ政策に係る事務処理経験等を総合的に勘案して、実施機関については、社団法人北海道アイヌ協会(以下「協会」という。)とすることが適当であるとの議論があったものと承知している。

三の1及び3について

 北海道が実施する北海道アイヌ生活向上関連施策については、例えば、北海道アイヌ子弟大学等修学資金等貸付においては、その実施要綱によれば、協会の会員以外の者であっても市町村長の推薦に基づき貸付けを受けることが認められていると承知している。
 また、お尋ねの事例については、政府としては把握していない。

三の2について

 御指摘の「実態」について、政府として把握していない。

三の4及び四について

 政府においては、現在、アイヌ政策推進会議における議論を踏まえつつ、北海道外に居住するアイヌの人々の子弟に対する奨学金に係る事業について、検討を行っているところである。

五について

 政府としては、全国のアイヌの人口等を把握することは、アイヌ政策の立案の基礎であり、かつ、アイヌ政策の更なる展開を図る上で重要であると認識しており、その方法等については、今後検討してまいりたい。