質問主意書

第183回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三六号

内閣参質一八三第一三六号
  平成二十五年七月二日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三   


       参議院議長 平 田 健 二 殿

参議院議員加賀谷健君提出満員電車に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加賀谷健君提出満員電車に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 鉄道営業法(明治三十三年法律第六十五号)第十五条第二項及び第二十六条の規定については、現在も効力を有している。
 同法第十五条第二項は、乗車券を有する者は列車中の座席が存在する場合に限り当該列車に乗車することができることを定めているものであり、乗車券を有する者の数が座席数を上回る場合において、座席数を上回る者が列車に乗車することを鉄道事業者が認めても差し支えないものと解される。ただし、国土交通省としては、鉄道の混雑率の緩和のため、鉄道事業者に対し、新線の建設等に対する支援を行ってきているところである。
 同法第二十六条は、鉄道係員が利用者の意思に反して強制的に当該利用者を定員を超えている車両に乗車させる行為に対して罰則を適用することを定めているものである。同省としては、当該行為が行われた事例や、同条により、摘発された事例は把握しておらず、したがって、処罰された事例も把握していない。また、行政指導は行っていない。

三について

 御指摘の意味するところが必ずしも明らかではないが、刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百三十九条第二項は、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と定めているので、右の要件を満たす場合には、原則として公務員には告発義務が課せられていると解される。

四から六までについて

 鉄道営業法は、主として鉄道事業者と鉄道利用者との関係に着目して、鉄道の運送営業とこれに携わる鉄道係員及び鉄道利用者等の行為を規律する鉄道事業の運営に関する基本的な法規であることから、廃止する必要はないと認識している。
 一方、鉄道事業法(昭和六十一年法律第九十二号)は、鉄道事業等の運営を適正かつ合理的なものとすることにより、輸送の安全を確保し、鉄道等の利用者の利益を保護するとともに、鉄道事業等の健全な発達を図り、もって公共の福祉を増進することを目的としており、主として国と鉄道事業者との関係に着目して定められたものである。