質問主意書

第183回国会(常会)

答弁書


答弁書第一三二号

内閣参質一八三第一三二号
  平成二十五年七月二日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三   


       参議院議長 平 田 健 二 殿

参議院議員尾辻かな子君提出性同一性障害等の性的マイノリティに対する偏見や差別を助長しかねない教員採用試験における適性検査の実態とその改善等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員尾辻かな子君提出性同一性障害等の性的マイノリティに対する偏見や差別を助長しかねない教員採用試験における適性検査の実態とその改善等に関する質問に対する答弁書

一について

 教員の採用選考に係る適性検査において御指摘の「MMPI」を使用した都道府県及び政令指定都市の教育委員会の数については、平成十九年度から平成二十三年度までのものは把握していないが、平成二十四年度においては十三あると承知している。その具体的な都道府県名及び政令指定都市名については、教員の採用選考に係る適性検査において「MMPI」を使用していることを公にしないとの条件で任意に情報提供がなされたものであることから、お答えを差し控えたい。

二について

 お尋ねについては、把握していない。

三について

 教員の採用選考において具体的にどのような適性検査を実施するのかについては、教員の任命権者である教育委員会等において適切に判断されるべきものであると考えており、政府としては、お答えを差し控えたい。また、お尋ねの教育委員会が教員の採用選考に係る適性検査において「MMPI」を用いていない理由については、把握していない。

四について

 法務省の人権擁護機関が平成二十四年中に救済措置等を講じた具体的事例の中に、御指摘の「採用試験における不適切な取扱い事案」があることは承知している。同人権擁護機関では、性的指向や性同一性障害を理由とする差別や偏見の解消を目指して、啓発冊子の配布等の人権啓発活動を行うとともに、法務局・地方法務局及びその支局等において、差別等に関する人権相談に応じ、人権侵犯の疑いのある事案を認知した場合には、人権侵犯事件として調査し、その結果に基づき、事案に応じた適切な措置等を講じているところであり、今後とも、人権啓発活動、人権相談及び人権侵犯事件の調査処理を通じて、人権の擁護を図ってまいりたい。

五について

 法務省の人権擁護機関が人権侵犯事件において救済措置等を講じた具体的事例等については、同省のホームページで公表しているところである。お尋ねの教員の採用選考は、教員の任命権者である教育委員会等において、このような事例等も踏まえた上で、適切に行われるべきものであると考える。

六について

 御指摘の「性同一性障害等の性的マイノリティ」に対しても、人権擁護の観点から、当然に「適切な配慮」がなされることが必要であると考えている。御指摘の「教育委員会、教育現場等」においても人権意識の向上が図られるよう、今後とも、教育委員会等に対し、教員に対する研修などの必要な取組の実施を促してまいりたい。