質問主意書

第183回国会(常会)

答弁書


答弁書第一二六号

内閣参質一八三第一二六号
  平成二十五年六月二十五日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三   


       参議院議長 平 田 健 二 殿

参議院議員江口克彦君提出「親学」の推進に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員江口克彦君提出「親学」の推進に関する質問に対する答弁書

一について

 発達障害者支援法(平成十六年法律第百六十七号)第二条第一項に規定するとおり、「発達障害」とは、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」を指すと考えている。発達障害は、一般に、先天的な脳機能の障害に原因があると認識されているところであり、政府としては、お尋ねのような「親の子育て」に原因があるものではないと認識している。

二から四までについて

 お尋ねの「親学」という用語について確立した定義はないが、一般に、子育てについて保護者等が行う学習のことを指すと承知している。このような保護者等の学習に関連する平成二十五年度における家庭教育の支援の取組としては、保護者等に対する家庭教育に関する学習の機会や情報の提供、相談対応などの地方公共団体等が行う家庭教育の支援活動に対する「学校・家庭・地域の連携協力推進事業」による補助の実施や、子供の生活習慣づくりのために地方公共団体等が行う普及啓発に係る活動の推進等が挙げられる。
 また、保護者等による子育てについては、十分な支援を実施するとの観点から、御指摘のとおり「子どもが誕生してから自立するまでの間、切れ目なく子育てを応援」していくことが重要であると考えており、教育振興基本計画(平成二十五年六月十四日閣議決定)においても、家庭教育の支援の推進に当たっては、「教育分野と保健福祉分野の取組の連携・協力」が必要であるなどとされているところであって、関係府省庁の十分な連携が不可欠であると考えている。

五について

 保護者等に対する子育てに関する情報提供等が適切に行われるよう、文部科学省では、家庭教育に関する様々な情報を掲載した「家庭教育手帳」を作成し、同省のホームページに掲載するとともに、同ホームページを地方公共団体等の関係機関へ紹介するなどしており、また、厚生労働省では、母子健康手帳の交付の機会に妊婦に説明する内容等や交付時に専門職による面接相談等を実施するなどの工夫を行っている地方公共団体の実例等を盛り込んだ「母子健康手帳の交付・活用の手引き」を各地方公共団体に送付しているところである。
 御指摘の「一部の地方公共団体や民間団体等」が行う「「子育てに係る知恵を盛り込んだ手帳」を、母子健康手帳の交付と併せて配付する取組」については、政府において網羅的に把握しているところではないが、母子健康手帳の交付に併せて、父親の育児に関する情報を掲載した「父子手帳」等を配付する取組を行う地方公共団体もあると承知しており、このような取組も、保護者等に対する子育てに関する情報提供等の一助となることから、同省が開設したウェブサイトに掲載し、情報提供を行っているところである。
 政府としては、御指摘のとおり「妊娠中から子育てに係る知恵を伝えていくこと」は重要であると考えており、今後とも、地方公共団体における子育てに関する情報提供等の推進を支援してまいりたい。