質問主意書

第183回国会(常会)

答弁書


答弁書第九五号

内閣参質一八三第九五号
  平成二十五年五月二十一日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三   


       参議院議長 平 田 健 二 殿

参議院議員神本美恵子君提出放射線に関する副読本に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員神本美恵子君提出放射線に関する副読本に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、中学校学習指導要領(平成二十年文部科学省告示第二十八号)の社会科において、「環境やエネルギーに関する課題を取り上げ」ることとし、その解説において、「我が国は・・・風力発電や太陽光発電などの新しいエネルギーの開発に努力しているといった程度の内容を取り扱う」こととし、中学校学習指導要領の理科において、「人間は、水力、火力、原子力などからエネルギーを得ていることを知る」こととするとともに、「放射線の性質と利用にも触れる」こととし、その解説において、「エネルギーを有効、安全に利用することの重要性を認識させる」こと、「水力、火力、原子力、太陽光などによる発電の仕組みやそれぞれの特徴について理解させる」こと、「原子力発電ではウランなどの核燃料からエネルギーを取り出していること、核燃料は放射線を出していること・・・にも触れる」こととし、また、高等学校学習指導要領(平成二十一年文部科学省告示第三十四号)の公民政治・経済において、「地球環境と資源・エネルギー問題・・・について、政治と経済とを関連させて探究させる」こととし、その解説において、「太陽光や風力などの新エネルギーの利用など、様々な方策を検討する必要があることを理解させる」こととし、高等学校学習指導要領の理科物理基礎において、「人類が利用可能な水力、化石燃料、原子力、太陽光などを源とするエネルギーの特性や利用などについて、物理学的な視点から理解する」こととするとともに、「「原子力」については、関連して放射線及び原子力の利用とその安全性の問題にも触れる」こととし、その解説において、「原子力については、関連して、α線、β線、γ線、中性子線などの放射線の特徴と利用、線量の単位など、放射線及び原子力の利用とその安全性の問題にも触れる」こととするなど、学校教育において生徒の発達段階に応じて適切に指導することとしている。加えて、東京電力株式会社福島第一原子力発電所の事故(以下「福島原発事故」という。)を踏まえ、平成二十三年に、文部科学省において学校教育における児童生徒に対する指導の一助として、小学校用、中学校用及び高等学校用の放射線等に関する副読本(以下単に「副読本」という。)を作成し、各学校等へ配布しており、当該副読本において、放射線の基礎知識や放射線による人体への影響、事故が起きた時の心構え等について説明している。

二について

 お尋ねについては、各学校における児童生徒等に対する指導の一助として、福島原発事故を踏まえて文部科学省が福島県教育委員会等に対して発出した通知において、学校生活を送る上で児童生徒等が受ける線量を低く抑えるための留意事項を示しているとともに、副読本において、放射線から身を守る方法等について説明している。

三及び四について

 お尋ねについては、平成二十五年度予算において「放射線に関する教育に資する教材の作成、配布」に要する経費として、一億九千三百二十四万六千円を計上しており、その内訳は、諸謝金が五十一万六千円、職員旅費が十三万三千円、委員等旅費が百一万六千円、教職員研修費が一億九千百五十八万千円である。また、改訂の具体的なスケジュール及び改訂に当たって行う意見聴取の対象者については現時点では未定であるが、平成二十五年度中に改訂することができるよう、今後速やかに取り組んでまいりたい。