質問主意書

第183回国会(常会)

答弁書


答弁書第八八号

内閣参質一八三第八八号
  平成二十五年五月十四日
内閣総理大臣 安 倍 晋 三   


       参議院議長 平 田 健 二 殿

参議院議員福島みずほ君提出オスプレイの低空飛行訓練の法的根拠に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員福島みずほ君提出オスプレイの低空飛行訓練の法的根拠に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 お尋ねの「米軍が日本国内で認められている「移動」」が何を指すのか必ずしも明らかではないが、米軍の航空機等は、例えば、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第五条2の規定に基づき、米軍が使用している施設及び区域(以下「施設及び区域」という。)に出入りし、これらのものの間を移動し、並びにこれらのものと我が国の港又は飛行場との間を移動することが認められている。
 また、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(昭和三十五年条約第六号)が、我が国の安全並びに極東の平和及び安全の維持に寄与するため、米軍の我が国への駐留を認めていることは、別段の定めがある場合を除き、米軍がかかる目的の達成のため、軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことを当然の前提としていると解され、米軍がかかる目的の達成のため、低空飛行等の飛行訓練を含め、部隊の練度の維持及び向上を図り、即応態勢を整えておくとの観点から必要な訓練を我が国において行うことは、このような諸活動に含まれると解される。日米地位協定は、このような訓練について、実弾射撃訓練のように米軍が本来施設及び区域内で行うことを想定している活動を除き、施設及び区域並びにその上空に限って行うことを想定しているわけではなく、その外においてこれを行うことは、認められるところである。
 なお、米軍による個々の活動と日米地位協定との関係については、その具体的実態に即して判断されるべきことであり、一般的に述べることは困難である。
 いずれにせよ、米軍は全く自由に飛行訓練等を行ってよいわけではなく、我が国の公共の安全に妥当な考慮を払って活動すべきものであることはいうまでもなく、米軍もこの点には十分留意して、安全面の配慮を払うとともに、地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努めているものと承知している。

三について

 垂直離着陸機MV二二オスプレイが我が国において飛行訓練を行う場合に、我が国政府に事前に通告することが義務付けられているわけではないが、政府としては、米側から得られた当該飛行訓練に係る情報については、速やかに関係する地方公共団体等にお知らせしてきているところである。
 このような場合における米側とのやり取りの詳細については、米側との関係もあり、答弁を差し控えたい。

四について

 外務省としては、お尋ねの「日米地位協定の考え方」と題する文書は保有していないが、お尋ねの「日米地位協定の考え方・増補版」に該当すると思われる文書は保有している。