質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第一四九号

安倍内閣総理大臣及び国務大臣の委員会出席拒否に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年六月二十六日

小西 洋之   


       参議院議長 平田 健二 殿



   安倍内閣総理大臣及び国務大臣の委員会出席拒否に関する質問主意書

 安倍内閣総理大臣及び関係の国務大臣は、平成二十五年六月二十四日及び二十五日に開催された参議院予算委員会等に対し予算委員長等からの出席要請があったにも関わらずこれを拒否した。これは日本国憲法第六十三条に定める内閣総理大臣その他の国務大臣の議院への出席義務に違反する重大な事件であり、議院内閣制の根幹を否定する暴挙である。そこで、以下、質問する。
 なお、不明確な答弁に際しては、再質問を行うので留意されたい。

一 憲法第六十三条に規定する内閣総理大臣その他の国務大臣の議院への出席義務の趣旨は何か。何故にこうした義務が課せられているのか、具体的かつ網羅的に答弁されたい。

二 本件について、予算委員会等に提出された「六月二十一日付国務大臣等の出席ご要求について」、「六月二十四日付国務大臣等の出席ご要求について」との標題の文書は、政府内の誰がどのような権限に基づいて作成し、かつ提出を行ったものであるのか、具体的かつ網羅的に答弁されたい。

三 平成二十五年六月二十四日及び二十五日に開催された参議院予算委員会については参議院規則第三十八条第二項の手続きを踏まえ予算委員長の職権により開催されたものであり、平成二十五年六月二十五日に開催された参議院厚生労働委員会は同二十一日の理事会合意にもとづき開催されたものであった。
 「二」に掲げる両文書に記載のある「与野党の協議で合意されたものでなく」及び「参院議長に対する不信任決議案も提出されその処理もなされていない状況にあること」のそれぞれは、「一」で答弁を求めている内閣総理大臣その他の国務大臣の議院出席義務を免除する根拠となるものと考えているのか、その理由について、それぞれの委員会ごとに、具体的かつ網羅的に答弁されたい。

四 「三」で「根拠とならない」趣旨の答弁をする場合において、他のいかなる理由で、予算委員会にあっては安倍総理大臣その他の国務大臣、厚生労働委員会にあっては田村国務大臣は、平成二十五年六月二十四日及び二十五日の当該委員会への出席を拒否したのか、具体的かつ網羅的に答弁されたい。

五 「三」、「四」の関連として、第七十五回参議院法務委員会(昭和五十年六月五日)における吉國内閣法制局第一部長答弁にある「出席をも不可能にするような事由がある場合」に内閣総理大臣その他の国務大臣の議院への出席義務を免除される余地があると考えているのか。
 また、今回の件が当該「出席をも不可能にするような事由がある場合」に該当するものと考えているのか、該当すると考える場合はその理由について具体的かつ網羅的に答弁されたい。

六 この度の参議院予算委員会への安倍総理その他の国務大臣の出席拒否及び参議院厚生労働委員会への田村大臣の出席拒否は、内閣総理大臣その他の国務大臣の議院への出席義務を課した日本国憲法第六十三条に違反するのではないか、明確に答弁されたい。
 なお、「違反あるいは抵触しない」趣旨の答弁を行う場合は、そのように判断する理由について、具体的かつ網羅的に答弁されたい。

七 平成二十五年六月二十四日に開催された予算委員会のための質問通告に対し、予算委員長の職権開催の決定の後刻に参議院議長不信任決議案が自民党及び公明党から提出されたにも関わらず、霞ヶ関の担当省庁が質問通告にもとづくいわゆる質問取りを拒否するという事態が生じ、これに対し、同日中に石井予算委員長より安倍総理大臣に対し文書をもって国務大臣等の出席を求めることを要求しているところである。
 当該事件について、政府内のいかなる者がいかなる理由並びに権限にもとづいて、質問通告を受けた各省庁に対し、質問取りを拒否するよう指示を行ったのか、具体的かつ網羅的に答弁されたい。

  右質問する。