質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第九七号

大学の設置認可の在り方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年五月十四日

江口 克彦   


       参議院議長 平田 健二 殿



   大学の設置認可の在り方に関する質問主意書

 田中前文部科学大臣による秋田公立美術大学等の三大学に対する不認可問題を契機として、大学の設置認可の在り方が焦点となっている。文部科学省に設置された「大学設置認可の在り方の見直しに関する検討会」では、「大学の設置には厳格な事前審査が必要」との意見が出されていたが、大学設置認可基準や審査手続、文部科学省による指導等を必要以上に厳格化することは、教育や研究に高い志を持つ新たな大学の参入を拒むことにつながる一方、既存の大学の既得権益の保護に直結し、弊害が大きいと考える。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 我が国の大学等進学率は、約五十四パーセントであり、諸外国と比較して必ずしも高いとは言えないが、政府は我が国の大学等進学率は十分高いと考えているのか。また、大学数についても、これ以上増やすことは必要ないと考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

二 大学の設置認可については、平成十四年以降、順次、手続や審査基準の弾力化・簡素化が図られてきたが、これまでの弾力化・簡素化に対する政府としての評価を示されたい。あわせて、今後、方針を転換し、設置認可の厳格化を図ることを考えているのか、政府の見解を明らかにされたい。

三 グローバルな時代には多様な人材が求められる。そのような人材の輩出を可能とする多様で質の高い大学を創出するためには、大学の設置認可については、新規参入の促進に向けて更なる多様化・自由化・簡素化を図ることが必要である。さらに、新設大学のみならず既存の大学も含めて、大学の経営状況のチェック機能を強化するとともに、大学が倒産した場合の厳重なる責任追及の方策を明確にすることにより、公平かつ適切な競争を促し、大学の質の抜本的な向上を図ることが必要であると考える。すなわち、大学設置の自由化の促進はこれをむしろ強化し、大学が倒産した場合の責任追及を厳格化するべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。