質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第九五号

放射線に関する副読本に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年五月十日

神本 美恵子   


       参議院議長 平田 健二 殿



   放射線に関する副読本に関する質問主意書

 東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故により、多くの放射性物質が大気中に放出された。放射線が人体に与える影響に関する確固たる数値基準は存在しないため、放射線被ばくを可能な限り少なくすることが求められていることに鑑み、放射線による感受性の高い子どもたちは、生きていく上で避けられないものを除き、できる限り放射線被ばくを避けていくべきであると考えられている。
 現在、文部科学省において、放射線に関する副読本の改訂作業が行われていると承知している。我が国の未来を担う子どもたちが学ぶ学校教育の場においては、子どもたちの無用な被ばくを避けるため、また、いわれなき差別やいじめの発生を防ぐため、放射線防護や原子力エネルギーに関する正しい知識を身に付け、自ら判断できるよう知識と考え方を教えていく必要がある。そこで、以下のとおり質問する。

一 学校現場において「放射線教育」や「原発・エネルギー教育」を取り上げる際に、原発と核の危険性、放射線被ばくの危険性、放射性廃棄物の処分問題、再生可能エネルギーへの転換の必要性等について、子どもたちに正しく教えるべきと考えるが、政府の具体的な取組について明らかにされたい。

二 放射性物質に汚染された地域で、今なお生活せざるを得ない子どもたちの健康と将来を保障するため、放射線被ばくをできるだけ避ける実践的な方法を教える教育をすべきと考えるが、政府の具体的な取組について明らかにされたい。

三 平成二十五年三月十三日の衆議院予算委員会において、下村文部科学大臣は、「事故後の状況の変化を踏まえて、放射線に関する副読本を改訂するための経費など必要な経費を計上して」いるとの答弁を行っているが、平成二十五年度予算案における放射線に関する副読本の改訂のための予算額の内訳を明らかにされたい。また、改訂に向けた検討スケジュールを具体的に示されたい。

四 放射線に関する副読本の改訂作業に当たっては、放射線被ばくによる人体への影響に詳しい有識者のみならず、子どもたちの放射線被ばくを心配する保護者、学校関係者等から幅広く意見を聴く機会を設け意見を反映すべきと考えるが、これらの者の改訂作業への関与について、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。