質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第九一号

著作権等の権利処理及びクールジャパンの推進に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年五月七日

藤末 健三   


       参議院議長 平田 健二 殿



   著作権等の権利処理及びクールジャパンの推進に関する質問主意書

 地方公共団体等の行政機関が、いわゆる「ゆるキャラ」を始めとするキャラクターやシンボルマーク等の公募を行う際、当該キャラクター等の著作権については、行政機関に全て譲渡する旨の条件が課されることが多い。また、著作者に一身専属し、譲渡することのできない著作者人格権についても、著作者による権利を行使しない旨の特約が締結されることが多い。
 このように、著作権等の譲渡等が行われ、著作者への対価が入選賞金のみとなる場合、経済的に厳しい状況下にある個人クリエイターや小規模のデザイン事務所は、創作活動の継続に困難を来す可能性がある。また、大規模なデザイン事務所についても、キャラクター等の創作に要する費用を抑える傾向が生じ、公募作品のクオリティーが下がるとの声が聞かれる。
 現在、我が国では、「クールジャパン」の推進に向けて、クリエイティブ産業の育成や国内外への発信強化等の施策が積極的に進められているが、著作権等の権利処理の在り方を含め、クリエイターの創作活動を取り巻く環境整備は、「クールジャパン」を推進する上で非常に重要である。
 右を踏まえ、以下質問する。

一 行政機関がキャラクター等の公募を行う際の著作権等の権利処理の在り方について、政府の見解を示されたい。

二 クールジャパンの担い手となるクリエイターの創作環境の向上に向けた現在の取組及び今後の方針について、政府の見解を示されたい。

  右質問する。