質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第八一号

石綿が原因で肺がんになった方の認定基準に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年四月二十二日

川田 龍平   


       参議院議長 平田 健二 殿



   石綿が原因で肺がんになった方の認定基準に関する質問主意書

一 日本において職業上、石綿を扱ったことが原因で肺がんを発症した患者数の中皮腫の発生数に対する比率はどの程度であるか政府の承知するところを示されたい。また、その際に石綿関連疾患の医学的な国際的コンセンサスが最も得られていると考えられるヘルシンキ・クライテリアが示した中皮腫一人に対して肺がんは二人に発生するとの見解をどのように踏まえているのか明らかにされたい。

二 ヘルシンキ・クライテリアでは石綿関連肺がんのリスクについて肺組織における石綿繊維、石綿小体の計測を利用した診断基準を示しており、コンセンサスリポートの当該箇所(三百十四ページ)にはわざわざ「amphibole fibers」との文言があるが、ここには「chrysotile fibers」も含意していると政府は解釈しているのか明らかにされたい。

三 石綿による疾病に関する労災保険給付と特別遺族給付金について、平成十八年度からの旧認定基準適用時に肺がんとして請求のあった件数、その中でばく露期間が十年以上あった件数、さらに、その中における支給決定・不支給決定の件数を十一に大別される作業別に明らかにされたい。なお、平成二十四年二月九日付けの厚生労働省発基労〇二〇九第一号として開示した文書の範囲内での件数であればその旨を記されたい。

四 前記三における不支給決定件数のうち、石綿小体・石綿繊維が未検出だった件数を十一に大別される作業別に明らかにされたい。

五 前記三における不支給決定件数のうち、石綿小体が乾燥肺重量一グラム当たり、①一本以上千本未満の件数、②千本以上二千本未満の件数、③二千本以上三千本未満の件数、④三千本以上四千本未満の件数、⑤四千本以上五千本未満の件数、⑥五千本以上の件数をそれぞれ十一に大別される作業別に明らかにされたい。

六 石綿関連疾病の労災保険給付の支給決定にあたっては労働者性とそれにまつわる作業内容の調査を踏まえるが、過去の具体的な作業内容については年金記録等の公的記録だけでは把握できないと考える。本人や元同僚からの作業歴と作業内容の申告内容は調査段階においてどのような形で信頼性を担保しているのか明らかにされたい。

七 認定基準の検討会などにおいては被災者や被災者団体の関係者が委員として参加することも重要だと考えるが、それらの方が委員として適格ではないとする指針や規定など明確な取決めはあるのか。取決めがある場合は、具体的に明らかにされたい。

  右質問する。