質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第七一号

我が国のサイバーセキュリティ政策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年四月二日

藤末 健三   


       参議院議長 平田 健二 殿



   我が国のサイバーセキュリティ政策に関する質問主意書

 去る三月二十日、韓国でサイバー攻撃が発生した。これを踏まえ、我が国のサイバーセキュリティの現状及びサイバー攻撃への対応について、以下のとおり質問する。

一 韓国では金融機関、テレビ局への攻撃であったが、我が国において、同様の攻撃が行われた場合、さらに、鉄道、航空等の公共交通機関、上下水道、電力施設への攻撃が行われた場合の政府の対応について、明らかにされたい。

二 内閣官房情報セキュリティセンター(NISC)は、法的に位置付けられたものではなく、その権限もあいまいであり、予算も十分とはいえない。情報セキュリティ対策について、政府全体の取りまとめ役は内閣官房長官であり、情報セキュリティ政策会議もあるが、機能していないのが現状であることから、実質的な取りまとめ役を決めるべきではないか。

三 前記二のような政府のサイバーセキュリティ政策の推進体制について、より強化を図るべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

四 不正アクセス行為の禁止など、サイバー犯罪についての法制度の対応は進みつつあるが、サイバーテロや他国からの我が国の情報システムに対する攻撃といったサイバー攻撃については、法律上の定義もなく、また、サイバー攻撃への緊急対応に係る法体系も整備されていない。政府の戦略、計画といったレベルではなく、法的根拠に基づく対応が必要と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

五 前記二のとおり、サイバー攻撃への対応の中心であるべきNISCは、法定された機関ではないことから、その位置付けを法的に明確にすべきではないか。

六 外国政府と連携し、サイバー攻撃への対応を整備すべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。また、米国との連携については、現在、主に総務省と米国国土安全保障省とで対応を実施しているが、このような日米間の連携は、省庁ごとではなく、政府全体での対応が必要ではないか。

七 米国との連携において、特に安全保障面での議論が重要であり、防衛省の位置付けが重要である。平成二十五年度政府予算案では、防衛関係費におけるサイバー攻撃等への対応のために百四十一億円の予算を計上しており、この分野においても是非とも日米の連携を進めるべきと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。

  右質問する。