質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第五一号

日本銀行総裁等役員の退職手当の在り方に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年三月七日

山田 太郎   


       参議院議長 平田 健二 殿



   日本銀行総裁等役員の退職手当の在り方に関する質問主意書

 日本銀行役員の退職手当については、「日本銀行における役員の給与等の支給の基準」が定められ、平成十六年以降の在職期間については、当該役員の退職時の役員俸給の千分の百二十五に相当する金額に在職月数を乗じ、これに業績評価委員会が〇・〇から二・〇の範囲内で「業績に応じて」決定する「業績勘案率」を乗じた金額とされている。この仕組みは、平成十五年十二月に閣議決定された「独立行政法人、特殊法人及び認可法人の役員の退職金について」に沿ったものであり、他の独立行政法人等と同じである。
 日本銀行(認可法人)を含めた、独立行政法人、特殊法人及び認可法人に共通するこの制度は、法人役員の退職金又は退職手当の金額決定にあたってその役員の業績を反映させようとする趣旨であり評価しうるものである。しかし、実際の運用状況を見ると改善すべき点がある。
 そこで、以下質問する。

一 右閣議決定に基づく業績勘案率は、〇・〇から二・〇ではその法人における業績にどのような差があるか。例えば、一・〇が通常の業務を全うしたという評価であり、一・五は通常より優れた業績、二・〇は更に優れた顕著な業績をあげた場合と考えてよいか。

二 日本銀行を平成十六年以降現在までに退職した総裁、副総裁、理事及び監事の退職手当金額、在職年数及び業績勘案率につき、政府の承知するところを示されたい。業績勘案率は、総裁、副総裁及び理事は全て一・五、監事は全て一・〇であると承知するが相違ないか。また、業績勘案率一・五の総裁、副総裁及び理事にはどのような業績があるか。監事と業績勘案率に差があるのは業績の差と考えられるが、どのような業績の差があるのか。

三 過去三年間に各省所管の独立行政法人を退職した役員の退職金又は退職手当の金額、在職年数及び業績勘案率を法人ごとに示されたい。業績勘案率は全て一・〇ということでよいか。

四 役員俸給月額と在職年数が同じでも、独立行政法人役員に比べて日本銀行役員(総裁、副総裁及び理事)は五割増しの退職手当を支給されているという実態がある。これは、他の独立行政法人の役員に比べて日本銀行の総裁、副総裁及び理事は常に通常より優れた業績をあげていると考えてよいのか。

五 右閣議決定により、独立行政法人の場合は各省の独立行政法人評価委員会(外部の専門家で構成)が業績勘案率を決定するが、その決定にあたっては総務省政策評価・独立行政法人評価委員会が意見を述べることができる制度になっている。これに対して日本銀行の場合は、いわば身内の日本銀行審議委員によって構成される業績評価委員会が単独で業績勘案率を決定できる仕組みとなっており、お手盛りが生じやすいのではないか。政府は業績評価委員会の構成員を外部の専門家とするなどこの制度の改善を日本銀行に働きかけるつもりはないのか、政府の見解を示されたい。

六 右閣議決定に基づく独立行政法人等の退職金に関する当該役員の業績評価の仕組みは、その趣旨は評価出来るものの業績勘案率が硬直化しており運用において形骸化している。法人役員の業績が適切に評価されるよう制度の改善を図るつもりはないか、政府の見解を示されたい。

  右質問する。