質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第二九号

日本国内に在住する拉致実行犯に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年二月十四日

有田 芳生   


       参議院議長 平田 健二 殿



   日本国内に在住する拉致実行犯に関する質問主意書

一 八尾恵氏は平成十四年三月十二日に東京地裁で行われた「よど号グループ」関係者の公判で、昭和五十八年に有本恵子さんをロンドンから北朝鮮へ連れ出したと証言しました。漆間巌警察庁警備局長(当時)はこの問題について、平成十四年三月二十日の参議院外交防衛委員会で「時効の問題につきましては、いろいろな法律上の論点もたくさんございますので、我々としてはまだ時効になっていないものとして捜査を進めております」と答弁しています。政府はいまもこの見解を維持していますか。仮に時効が成立していないならば、八尾氏はなぜ検挙されないのですか。その理由を明らかにして下さい。

二 政府認定の拉致被害者である久米裕さんは、昭和五十二年九月十九日に石川県宇出津海岸付近で失踪しました。大山秋吉こと李秋吉氏は外国人登録法違反で検挙され、久米さんを北朝鮮工作員に引き渡したことを自白しました。大山氏の時効はすでに成立しているのですか。この事件では主犯格の朝鮮労働党対外情報調査部幹部工作員だった金世鎬に対して、国外移送略取容疑での逮捕状が発付され、国際手配の手続きがなされています。仮に時効が成立していないならば、大山氏はなぜ検挙されないのですか。その理由を明らかにして下さい。

三 政府認定の拉致被害者である原敕晁さんは、昭和五十五年六月中旬に宮崎県青島海岸で北朝鮮工作員によって拉致されました。この事件に関与した星山俊夫こと李三俊氏について時効はすでに成立しているのですか。この事件では北朝鮮工作員辛光洙及び金吉旭に対して、国外移送略取容疑での逮捕状が発付され、国際手配の手続きがなされています。仮に時効が成立していないならば、星山氏はなぜ検挙されないのですか。その理由を明らかにして下さい。

四 福留貴美子さんは昭和五十一年七月二十四日に日本を出国後、行方不明になりました。のちによど号ハイジャック犯岡本武と北朝鮮で結婚したことが明らかになっています。警視庁公安部幹部は平成十七年十月十一日に東京地裁で開かれた「よど号グループ」関係者の裁判で、「(福留さんは)拉致被害者とは考えていない」と証言しています。日本政府の見解は同じですか。同じであるならば、その理由を教えて下さい。

  右質問する。