質問主意書

第183回国会(常会)

質問主意書


質問第一二号

在アルジェリア邦人に対するテロ事件の犠牲者等に対する補償問題に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十五年一月三十一日

山田 太郎   


       参議院議長 平田 健二 殿



   在アルジェリア邦人に対するテロ事件の犠牲者等に対する補償問題に関する質問主意書

 去る一月十六日にアルジェリア民主人民共和国において発生した邦人に対するテロ事件においては、アルジェリア政府及び同国軍が、我が国政府からの再三の申し入れにも関わらず無謀な作戦行動を行った結果、邦人十名の尊い命が失われるとともに、我が国企業の施設に対しても甚大な被害を及ぼすという誠に深刻な事態を招いた。犠牲者の皆様のご冥福をお祈りするとともに、関係の皆様には心からお見舞いを申し上げるところである。
 今後このような事件が二度と起こらぬよう、また、万が一同様な事態が生じた場合には被害者等に十分な補償がなされるよう法令の整備を急ぐことはもちろんであるが、今回の犠牲者、被害者及び被害企業に対して最大限の補償、援助が行われるよう全力を尽くすことも法治国家の在り方を国内外に示すという意味で、我が国政府及び国会の喫緊の責務であると考える。
 また、テロとの戦いに国際社会が一致してあたっていくためには、事件が起きた際の関係国の責任の所在を明らかにしておく必要がある。
 そこで、以下質問する。

一 アルジェリア民主人民共和国に対して、我が国はODAを始めどのような資金援助を行ってきたか、また、今後どのような支援を行う予定か、過去十年間の実績及び今後の予定を示されたい。

二 アルジェリア政府は、今回の事件について、犠牲者、被害者及び被害企業に対し、弔意や遺憾の意は伝えているか示されたい。かかる意思を表明していないのであれば、それを表明するよう求める考えはないか、我が国政府の見解を示されたい。

三 今回の犠牲者、被害者及び被害企業には労働者災害補償保険法によるもの等国内法上どのような公的な補償が行われることになるのか、又は行われ得るのか、法律名及び補償を受ける人数につき具体的に示されたい(犠牲者、被害者の個人名は伏せて差し支えない)。

四 今回のテロ事件に関する人的、物的な損害はアルジェリア軍の攻撃によるものであり、労働者災害補償保険法による補償が犠牲者等になされる場合は、同法第十二条の四の「第三者」はアルジェリア政府であると考えられる。そこで、同条及び他の国内法に同様の規定があればそれにも基づいて、アルジェリア政府に我が国国内法による補償額等を求償すべきと考えるが、我が国政府の見解を示されたい。

五 今回の犠牲者、被害者及び被害企業にはアルジェリア国内法ではどのような補償が行われ得るのか、我が国政府の承知するところを示されたい。また、アルジェリア国内法の適用が不明確であったり、その適用があるとしてもアルジェリア政府が速やかな補償を行わないようであれば、我が国政府からアルジェリア政府に然るべく損害賠償請求をすべきであり、それに応じない場合は前記一の資金援助を差し止める等の措置も検討すべきと考えるが、我が国政府の方針を示されたい。

  右質問する。