質問主意書

第182回国会(特別会)

質問主意書


質問第一号

インターネットを利用した選挙運動に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十二月二十七日

松田 公太   


       参議院議長 平田 健二 殿



   インターネットを利用した選挙運動に関する質問主意書

 平成二十四年十二月二十六日、安倍晋三内閣総理大臣は、記者会見で来夏の参議院議員選挙までにインターネットを利用した選挙運動の解禁を目指すとの見解を示した。これに関連して、インターネットを利用した選挙運動の公職選挙法上の規制等について、以下質問する。

一 公職選挙法上「選挙運動」の定義はなく、一般的に用いられている定義も「特定の公職の選挙につき、特定の立候補者又は立候補予定者に当選を得させるため投票を得若しくは得させる目的をもつて、直接又は間接に必要かつ有利な周旋、勧誘その他諸般の行為をすること」(昭和五十二年二月二十四日最高裁判所判決)と抽象的である。第四十六回衆議院議員総選挙において、インターネットを利用した各種活動につき、公職選挙法上禁止されている選挙運動に該当するか否か、総務省及び各選挙管理委員会に問い合わせたところ、「個別の行為が選挙運動に該当するか否かについては、具体的な事実に即して司法が判断する」との回答を得るばかりで要領を得ない。選挙運動につき先述のような抽象的な規範しか示されていない現状で、事後的な司法判断を待たなければ公職選挙法に違反しているか判断できないのであれば、国民の予見可能性を著しく欠くと思料するが、政府の見解如何。

二 インターネットを利用した各種活動につき予見可能性を欠く現状は、国民を委縮させ、憲法第二十一条で保障されている表現の自由を制約すると思料するが、政府の見解如何。

三 公職選挙法については、インターネットを利用した選挙運動をはじめ、禁止されている選挙運動の範囲が多岐に渡るという問題点のみならず、国民にとって規定がわかりづらいという問題点がある。安倍晋三内閣総理大臣が言及した来夏までのインターネットを利用した選挙運動解禁と合わせて、公職選挙法の規定を、国民にとってわかりやすいものとするための改正を検討すべきと思料するが、政府の見解如何。

四 公職選挙法の改正を行うか否かにかかわらず、国民の予見可能性を欠く現状を改善すべく、政府において具体的な事例を用いた詳細なガイドラインを作成すべきと思料するが、政府の見解如何。

  右質問する。