質問主意書

第181回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第六一号

内閣参質一八一第六一号
  平成二十四年十一月二十二日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員加藤修一君提出第一種農地の転用許可基準の緩和に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出第一種農地の転用許可基準の緩和に関する質問に対する答弁書

一について

 東日本大震災復興特別区域法(平成二十三年法律第百二十二号)第四十六条第一項の規定により同項に規定する復興整備計画が作成された場合には、津波による被害を受けた地域であるか否かにかかわらず、同法に基づく農地転用の許可に係る手続の簡略化に関する特例の適用があるところであり、農林水産省として御指摘のような指導を行ったことはない。
 また、津波による被害を受けた地域については、他の被災地域と異なり、津波による被害により土地利用の状況が相当程度変化しており、復興に当たって、従来の土地利用を見直す必要が生じ得ることから、同法第四十九条第三項及び第十四項において、同法第四十六条第二項第四号に規定する復興整備事業に係る農地転用の許可に関し、農林水産大臣及び同法第四十七条第二項第二号に規定する被災関連都道県知事の同意の要件に関する特例を設けているところである。

二について

 農林水産省として、福島県において御指摘のような推奨をしたことはない。なお、農地に再生可能エネルギー発電設備を設置することは農地転用に当たることから、当該農地転用に係る土地利用の調整が円滑に行われるよう、同省の職員を同県に派遣し、技術的な助言を行っている。
 また、御指摘の「非農地と決定された土地を農用地に残置する」の意味するところが必ずしも明らかでないが、農地以外のものとされた土地は、再び耕作の目的に供されるようになれば、農地として取り扱われることとなる。

三について

 農山漁村に存在する資源を活用して再生可能エネルギー電気の発電を行うことは、農山漁村の活性化に貢献するとともに、エネルギー供給源の多様化に資する取組として重要である。他方、農地は、農業生産の基盤として、食料その他の農産物の供給機能や国土の保全等の多面的機能の発揮といった重要な役割を果たしている国内の限りある資源である。
 再生可能エネルギー発電設備の設置に関する農地制度上の取扱いについては、「エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針」(平成二十四年四月三日閣議決定)に則して、優良農地の確保に支障を生じないことを前提とし、耕作放棄地を使用するなど地域の農業振興に資する場合については、その取扱いを検討し、明確化してまいりたい。

四について

 政府としては、「エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針」に則して、エネルギー分野における規制・制度改革を着実に実施してまいりたい。

五について

 御指摘の「農山漁村における再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律案」は、第百八十一回国会での衆議院の解散により、廃案となったところであり、今後の対応については、政府部内で検討を行ってまいりたい。