質問主意書

第181回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第三五号

内閣参質一八一第三五号
  平成二十四年十一月二十日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 岡田 克也   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員熊谷大君提出田中慶秋法務大臣(当時)の決算委員会欠席による質問権の侵害等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員熊谷大君提出田中慶秋法務大臣(当時)の決算委員会欠席による質問権の侵害等に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねの「決算委員会開会中及びその前後の全ての公務について、法務大臣出席が決まった日」については、「法務大臣出席が決まった日」の意味するところが必ずしも明らかでなく、また、田中前法務大臣の公務日程については、法務行政に関わる公務等のほか、拉致問題担当大臣としての公務等との調整が必要であり、常に予定が流動的であったため、一概にお答えすることは困難であるが、法務省によると、平成二十四年十月十七日正午の時点では、同月十八日午前十時から午後零時まで、ドイツ連邦共和国司法省刑事局長(以下「司法省刑事局長」という。)らとの意見交換等(以下「本件意見交換等」という。)を行う予定となっており、また、同日午後一時二十分から午後四時まで、第六十回全国調停委員大会及び調停制度施行九十周年等の記念式典(以下「本件式典等」という。)に出席する予定となっており、さらに、同日午後四時以降は、駐日ドイツ連邦共和国大使館(以下「ドイツ大使館」という。)における意見交換等を行うことについて調整中であったが、これらの公務については、いずれも当初から田中前法務大臣が出席する予定で調整が進められていたものであり、御指摘の「法務大臣に代わって副大臣等他の者が出席する予定であった場合」に該当するものではない、とのことである。
 同日における田中前法務大臣の公務については、法務省によると、司法省刑事局長らとの本件意見交換等のため、同日午前十時四十五分頃から午前十一時頃まで、法務省の担当部局から事前説明を受けた上で、同日午前十一時頃から午前十一時四十分頃まで、法務省において、司法省刑事局長らの表敬を受けるとともに、司法省刑事局長らとの総括的な意見交換を行い、また、同日午後一時十分頃から午後三時三十分頃まで、東京都千代田区に所在する国立劇場で開催された本件式典等に出席し、さらに、同日午後四時頃から午後五時十五分頃まで、東京都港区に所在するドイツ大使館において、ドイツ連邦共和国大使を表敬し、意見交換を行ったが、本件式典等においては田中前法務大臣の挨拶等は行われなかった、とのことである。
 お尋ねの「直近における同様の会議等への法務大臣出席時の滞在時間」については、「直近における同様の会議等」の意味するところが必ずしも明らかでないため、お答えすることは困難である。

二について

 御指摘の熊谷大参議院議員による「法務省における復興予算の使われ方について」の「質疑」における国務大臣等の出席要求の手続については、御指摘のように「大臣に代わって答弁する者として副大臣等の委員会出席」を認めるか否かを含めて、御指摘の「決算委員会」の運営に関する事項として理事会等において検討していただく事項であると認識している。いずれにしても、「決算委員会」においては、平成二十四年十月二十九日付け財務大臣名義の「十月十八日の参議院決算委員会の対応について」と題する書面(以下「本件書面」という。)に記載したとおり、「財務大臣及び復興大臣以外の国務大臣については、質疑通告があった場合のみの出席対応とされたところであり、その際、与党からは、財務大臣及び復興大臣以外の大臣に対する質疑通告については、重要な公務がある場合には、副大臣対応としていただきたい旨、申し入れを行っていたと承知している」上、「決算委員会」当日には、同委員会理事会等の御指示があれば、法務行政に関する質問について田中前法務大臣に代わって答弁するため、熊谷大参議院議員による「法務省における復興予算の使われ方について」の「質疑」の予定時間帯に、山花郁夫法務副大臣が委員会室で待機していたものと承知している。

三について

 本件書面に記載したとおり、憲法第六十三条において、国務大臣は、議院から「答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。」とあるが、「病気その他出席しない正当な理由がある場合は出席しないことも認められる。」と考えている。
 田中前法務大臣は、一についてで述べた各公務を遂行することを理由に、御指摘の「決算委員会」を欠席したものと承知しているところ、その適否については、法務行政の遂行につき責任を有する法務大臣において、「正当な理由がある場合」に該当するのかを含めて、適切に判断したものと認識している。