質問主意書

第181回国会(臨時会)

答弁書


答弁書第一八号

内閣参質一八一第一八号
  平成二十四年十一月十三日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員佐藤正久君提出政府による尖閣諸島の管理強化策に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員佐藤正久君提出政府による尖閣諸島の管理強化策に関する質問に対する答弁書

一について

 尖閣諸島のうち名称が決定している島は、魚釣島、北小島、南小島、久場島、大正島、沖ノ北岩、沖ノ南岩、飛瀬、久場島周辺の北西小島、北小島及び北東小島並びに大正島周辺の北小島である。
 お尋ねの「「尖閣諸島」と「尖閣列島」の使い分け」について、政府の基準は存在しないが、国土地理院が刊行する地図等及び海上保安庁が刊行する海図等においては、これらの島々を総称して、「尖閣諸島」という名称を使用している。
 政府としては、平成二十四年九月十一日に尖閣諸島の魚釣島、北小島及び南小島の三島(以下「尖閣三島」という。)を二十億五千万円で取得し、同日に所有権の移転登記を行ったものである。

二及び三について

 一についてで述べた島のうち、個人所有である島は、久場島並びに久場島周辺の北西小島、北小島及び北東小島である。これらの島々については、所有者の意向も踏まえ、引き続き、国が賃借を継続することとしている。

四について

 お尋ねの尖閣諸島におけるやぎによる被害については、環境省が平成二十年度に作成した植生図によると、植生が大きく失われるといった状況には至っていないと考えられる。
 お尋ねの尖閣諸島における希少種の動植物については、同省が平成二十四年に作成したレッドリストにおいて、センカクモグラ、センカクサワガニ、センカクツツジ等の種を絶滅危惧種として掲載している。
 同省としては、航空写真の解析、既存の文献及び専門家からの動植物の生息又は生育状況に関するヒアリング等による情報収集を行ってきているところであり、引き続き、尖閣諸島における自然環境に関する情報収集に努めてまいりたい。

五について

 お尋ねの「新たな管理強化策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、尖閣三島の利活用の方策については、その内容、必要性、尖閣諸島の長期にわたる平穏かつ安定的な維持及び管理を図るという尖閣三島の取得及び保有の目的等を総合的に勘案しつつ、検討していく必要があると考えている。

六について

 尖閣諸島が我が国固有の領土であることは、歴史的にも国際法上も疑いのないところであり、現に我が国はこれを有効に支配している。したがって、尖閣諸島をめぐり解決すべき領有権の問題はそもそも存在せず、御指摘の「計画の発表」を含め、尖閣諸島に関する中華人民共和国(以下「中国」という。)政府の独自の主張に基づく言動については全く受け入れられない。かかる我が国の一貫した立場については、外交ルートを通じて、中国政府に対して明確に伝えているところである。
 お尋ねの「政府の対抗策」の意味するところが必ずしも明らかではないが、尖閣諸島に関する中国政府の独自の主張に基づく言動については、我が国として全く受け入れられず、かかる我が国の一貫した立場については、引き続き、中国政府に対して明確に伝えていく考えである。また、尖閣諸島周辺の警備については、引き続き、関係省庁が連携して情報収集に努めるとともに、警戒監視に万全を期していく考えである。