質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第六五号

介護保険の第一号被保険者に係る保険料の軽減に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月十六日

浜田 昌良   


       参議院議長 平田 健二 殿



   介護保険の第一号被保険者に係る保険料の軽減に関する質問主意書

 障害者一級の認定を受けた高齢者の方から介護保険料に関する要望を頂戴した。この方は、難病を患い、数度にわたる手術を経験し、障害者一級の認定を受けることとなった。障害者であるため、療養の出費などにより、家計にとって介護保険料が大きな負担になっている。国の政策として、介護保険料の軽減を是非実現してほしい、というものである。介護保険料の上昇は、高齢者の生活に深刻な影響を与えている。一般的に、介護保険料は月額五千円が負担の限界とも言われており、多くの高齢者が介護保険料の軽減を強く望んでいる。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 厚生労働省が平成二十四年三月三十日に発表した「第五期計画期間における介護保険の第一号保険料について」(以下「第五期第一号保険料」という。)によれば、平成二十四年度から平成二十六年度までの第五期第一号保険料の全国平均額(月額・加重平均)は、四千九百七十二円であり、第四期計画期間(平成二十一年度から平成二十三年度)の四千百六十円より八百十二円、十九・五パーセントも増額した。年額では、約一万円の負担増となる。第五期第一号保険料において、介護保険の保険者である市区町村(以下「保険者」という。)が条例等により独自に保険料軽減措置を講じているところもあるが、政府として把握している保険者数を示されたい。また、そのうち、障害者認定を受けていることにより保険料軽減措置を講じることは法的に可能か。可能であるならば、実施している保険者について、政府として把握している保険者数を示されたい。

二 保険者は、介護保険給付費の約二十一パーセントに相当する額を第一号被保険者(六十五歳以上の高齢者)に保険料として賦課している。保険者は、サービス基盤の整備の状況やサービス利用の見込みに応じて第一号被保険者の保険料を設定している。被保険者の負担能力に応じた負担を求める観点から市町村民税の課税状況等に応じて、段階的に設定されており、標準は六段階となっている。また、保険者の判断により、第三段階及び第四段階のそれぞれにおいて細分化が図られることが可能となっている。その結果、保険料の設定や減免制度において、保険者間に不均衡が生じることとなる。そこで、保険者間における不均衡を是正するために、第一号被保険者の保険料の設定にあたっては、政府において統一的で公平な運営を図るべきであると考えるが、野田内閣の見解を明らかにされたい。

三 社会保障審議会介護保険部会は、平成二十三年十一月三十日付で、「社会保障・税一体改革における介護分野の制度見直しに関するこれまでの議論の整理」を取りまとめた。一号保険料の低所得者保険料軽減強化について、「国の責任と財源で基準の設定等を行うべきとの意見」があったとあるが、野田内閣として、この意見に関してどのような見解であるか明らかにされたい。

四 国民健康保険について、被保険者が障害認定を受けていることにより、市区町村が独自に条例等により保険料の軽減を行うことは法的に可能か。可能であれば、実施している保険者について、政府が把握している保険者数を明らかにされたい。

  右質問する。