質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第五六号

予防接種制度の見直しに関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月十五日

藤井 基之   


       参議院議長 平田 健二 殿



   予防接種制度の見直しに関する質問主意書

 本年五月二十三日、厚生科学審議会予防接種部会が、予防接種制度の見直しに関する第二次提言を取りまとめた。それによれば、新たなワクチンを予防接種法の対象とするため、予防接種法の改正法案を早期に国会に提出することを期待するとしている。
 予防接種法の対象となる疾病・ワクチンの在り方については、平成二十二年二月の予防接種制度の見直しについて(第一次提言)を受け、予防接種部会のもとに設置された「ワクチン評価に関する小委員会」が平成二十二年八月二十七日から検討の対象となる疾病・ワクチンを選定して検討を行い、平成二十三年三月十一日に、Hibワクチン、肺炎球菌コンジュゲートワクチン(小児用)、肺炎球菌ポリサッカライドワクチン(成人用)、HPVワクチン、水痘ワクチン、おたふくかぜワクチン、B型肝炎ワクチンについて広く接種を促進していくことが望ましいワクチンであると考えられることを結論とする報告書をまとめている。
 しかし、この報告書がまとめられる前の平成二十二年十月六日、厚生労働大臣あてに予防接種部会長名の提言書が提出された。提言書は、厚生労働省においてHPVワクチンの接種促進を念頭に置いた情報収集、分析を目的とする予算事業を要求していることに触れつつ、他の疾病・ワクチンについても、適宜、予防接種法における定期接種に位置付けることを想定した対応を検討すべきであり、特にHibワクチン、小児用肺炎球菌ワクチン、HPVワクチンの三ワクチンは、定期接種に位置付ける方向で検討すべきであるとしている。そして、平成二十二年度から子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例交付金事業(以下「特例交付金事業」という。)が開始され、既述の三ワクチンの接種事業が行われており、平成二十四年度末まで継続されることが確保されている。
 一方、第二次提言においては、ワクチン評価に関する小委員会報告書のとおり、七ワクチンについて、改めて広く接種を促進していくことが望ましいと指摘している。
 そこで、予防接種法の対象となるワクチンの追加等について、以下質問する。

一 予防接種法の対象となる疾病・ワクチンの在り方について評価検討中であったにもかかわらず、平成二十二年に予防接種部会長から提言がなされ、既述の三ワクチンを対象とした特例交付金事業が開始された背景、理由について明らかにされたい。

二 第二次提言においては、特例交付金事業が平成二十四年度末までとなっていることから、平成二十五年度以降も円滑な接種を行えるようにする必要があるとしているが、政府としてどのように取り組むつもりか。

三 水痘、おたふくかぜ、成人の肺炎球菌感染症の患者発生状況は、第二次提言時に厚生労働省から示された参考資料によれば、毎年数十万から百万人とされており、また費用対効果推計では大きな費用低減効果があることが示されている。従って、第二次提言が指摘しているとおり七種のワクチン全てについて、可能な限り速やかに予防接種法に基づく接種の対象とすべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

  右質問する。