質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三五号

田中慶秋法務大臣(当時)の決算委員会欠席による質問権の侵害等に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月九日

熊谷 大   


       参議院議長 平田 健二 殿



   田中慶秋法務大臣(当時)の決算委員会欠席による質問権の侵害等に関する質問主意書

 去る十月十八日、東日本大震災の復旧・復興関係経費等に関する件について調査を行うため、参議院決算委員会が開かれた。復興予算の使途等について答弁するため、多くの閣僚が出席したが、田中慶秋法務大臣(当時)(以下「法務大臣」という。)は、決算委員会からの再三再四の求めにもかかわらず、また、出席可能となるように質疑時間帯の変更等も行われたにもかかわらず、一切対応しようとせず、委員会を欠席した。これは憲法違反であり、委員の質問権の侵害であるとの観点から、事実関係と政府の認識について、以下のとおり質問する。

一 当日、法務大臣はいくつかの重要な公務があるため出席できないと主張していたが、「当日になって急遽決まった日程もある」、「招待しておらず、直前になって出席の連絡があった」などの報道もなされている。決算委員会開会中及びその前後の全ての公務について、法務大臣出席が決まった日、出席時間帯(予定及び実際)、開催場所、会議等における挨拶・発言等の有無、直近における同様の会議等への法務大臣出席時の滞在時間を明らかにされたい。なお、今回、法務大臣出席が決定される以前に、法務大臣に代わって副大臣等他の者が出席する予定であった場合には、法務大臣出席に変更となった日及びその理由についても明らかにされたい。

二 法務省は、決算委員会前日より、公務のため大臣は出席できないと主張していたが、なぜか大臣に代わって答弁する者として副大臣等の委員会出席の登録を行っていない。私は、決算委員会において、法務省における復興予算の使われ方について質疑を行う予定であったが、大臣が憲法第六十三条に規定された出席義務を果たさなかったことにより、予定していた質疑を行うことができなくなり、質問権を奪われることとなった。国会議員の質疑の機会を奪う結果となったことについて、政府の認識を示されたい。

三 法務大臣が委員会に出席しなかったことについては、当日の決算委員会でも決算委員長から、「今回の田中大臣の答弁拒否のための欠席、これはまさに先人が権威を高めてきた参議院決算委員会、これをおとしめかねない傲慢な行為であると断じざるを得ません。」との発言があり、質問権の侵害が認定されるとともに、政府として決算委員会に報告を行うよう求めている。十一月二日の参議院本会議における緊急質問の際、野田内閣総理大臣は、「前法相は質疑通告の時間帯に重要な公務があり、正当な理由があると認識したものと理解している」旨の答弁を行っているが、このように法務大臣の当日の公務を決算委員会出席よりも重要視するのは、参議院軽視、決算委員会軽視ではないか。重要な公務がありながら決算委員会に出席した岡田副総理のように日程調整を行わなかったことに対する野田内閣総理大臣の見解、決算委員長の発言の重さに対する政府の認識を明らかにされたい。

  右質問する。