質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第三二号

オスプレイの普天間飛行場配備・運用に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月八日

佐藤 正久   


       参議院議長 平田 健二 殿



   オスプレイの普天間飛行場配備・運用に関する質問主意書

 米海兵隊は、普天間飛行場配備の輸送ヘリCH46を垂直離着陸輸送機MV22オスプレイ(以下「オスプレイ」という。)に換装する事業を進めており、本年十月上旬、岩国飛行場から普天間飛行場にオスプレイ十二機の移動を完了し、運用を開始した。また、平成二十二年九月に発表した「二〇一一会計年度海兵隊航空計画」(以下「航空計画」という。)は、平成二十四年十月から十二月にかけ、オスプレイ一個飛行隊十二機の換装を計画している。
 右の点を踏まえ、質問する。

一 沖縄県では、普天間飛行場にオスプレイ十二機が配備された後も、仲井眞沖縄県知事や佐喜眞宜野湾市長を始め、オスプレイ配備・運用反対の意見が強いが、その原因について、政府の分析・評価するところを明らかにされたい。

二 航空計画においては、平成二十四年十月から十二月にかけ、オスプレイ一個飛行隊十二機を普天間飛行場に配備するとしている。このように、配備時期が明らかになっているにもかかわらず、説明開始から配備までにかけた実際の時間は約三ヶ月間であった。政府は、沖縄県が以前からオスプレイ配備に対し強く反発してきたことを承知していたにもかかわらず、三ヶ月という説明期間は十分だったと評価しているのか、明らかにされたい。

三 一般論から言えば、安全と安心は違う。政府は、沖縄県民に対し、オスプレイの安全性を説明してきたが、沖縄県民の多くは安心せず、オスプレイの配備・運用に対し反対の声が根強い。沖縄県民の多くが、政府の安全性説明を信用し得ない理由を分析し、対処することなしに解決の糸口は見えないと考えるが、この理由について、政府の分析・評価するところを具体的に明らかにされたい。

四 森本防衛大臣は、オスプレイの普天間飛行場配備以前に、日本政府としてもオスプレイに関する安全性を米国に問いただし、確認すると繰り返し国会で答弁している。安全確認のポイントとして、具体的には機体自体の安全性、飛行要領、パイロットの技量練度、機体整備等を挙げていたが、八月二十八日及び九月十一日に発表した日本側の分析評価報告書、及び九月十九日の日米合同委員会で発表した日本におけるオスプレイの運用に係る具体的措置では、機体自体の安全性や飛行要領には言及しているものの、定期修理を含めた機体整備及びパイロットの練度管理には一切触れていない。その理由について明らかにされたい。また、パイロットの練度管理や機体の整備要領の確認をせずに、運用を許可した理由について、これまでの森本防衛大臣の答弁との整合性を踏まえ、明らかにされたい。

五 フロリダやモロッコで本年発生したオスプレイ事故の原因は、操縦ミスの可能性が高いとされている以上、パイロットの練度管理は事故防止の主要な柱である。一般的に、練度不十分なパイロットが操縦すれば、事故再発の可能性は高くなる。また、沖縄国際大学にて発生したCH46墜落事故の原因は、機体の整備不良であった以上、整備要領の確認は必須事項である。これらの点を踏まえ、現在、日本政府が米国側から確認・把握しているオスプレイのパイロットの練度管理要領について明らかにされたい。また、それは自衛隊のパイロット向けの練度管理と同様のものであるか、明らかにされたい。さらに、日本政府が確認しているオスプレイの整備要領、定期修理、その整備工場等について明らかにされたい。また、それらの整備基準は自衛隊の航空機の整備要領と同様のものか、明らかにされたい。

六 過去の日米合意、平成八年三月の「嘉手納飛行場及び普天間飛行場における航空機騒音規制措置に関する合同委員会合意について」、あるいは、平成十一年一月の「在日米軍による低空飛行訓練について」によって規制されている飛行時間や騒音、あるいは飛行高度等について、政府は、それらが実際に遵守されていると認識しているのか、明らかにされたい。本年九月十九日の日米合同委員会合意(以下「九月十九日日米合意」という。)による日本におけるオスプレイ運用に係る具体的措置について、平成八年及び平成十一年の日米合意事項と同様のものが多く見られ、安全性や負担軽減がなされていないとの批判があるが、政府の見解を明らかにされたい。さらに、今日までオスプレイの飛行・運用に関し、九月十九日日米合意事項は遵守されていると考えるか、政府の見解について、その評価根拠と併せ、明らかにされたい。

七 九月十九日日米合意の日本におけるオスプレイ運用に係る具体的措置は、全て米軍の裁量に委ねられ、日本側が確認する手段も意志も書かれていない。前記六で述べた日米合意事項についてどのように日本政府として確認し国民に説明する考えなのか、その具体的手段・要領について、政府の方針を明らかにされたい。

  右質問する。