質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一八号

政府による尖閣諸島の管理強化策に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月二日

佐藤 正久   


       参議院議長 平田 健二 殿



   政府による尖閣諸島の管理強化策に関する質問主意書

 本年九月、政府は「長期的、平穏かつ安定的に管理する」との目的で、尖閣諸島の一部の島を購入(以下「国有化」という。)した。それに対し、中華人民共和国や台湾等諸外国から抗議や挑発めいた行為がなされており、国有化以降、本来目的であるはずの「平穏かつ安定的」な環境というにはほど遠い状況であるとの指摘がある。
 右の点を踏まえ、以下質問する。

一 尖閣諸島は五つの島と三つの岩礁からなるとされるが、それらの名称を全て明らかにされたい。また「尖閣諸島」と「尖閣列島」の使い分けについて、政府の基準を明らかにされたい。さらに尖閣諸島のうち、本年度、政府が新たに国有化した尖閣諸島について、その名称、購入金額、登記の時期を明らかにされたい。

二 尖閣諸島の中で、現在、個人所有である島及び岩礁の名称を明らかにされたい。また、当該島及び岩礁を今回国有化しなかった理由について、政府の見解如何。

三 尖閣諸島を「平穏かつ安定的」に管理するため、近い将来、全ての島を国有化する考えはあるか、政府の見解如何。また、国有化するまでの間、島を私有する個人から、私有地の島及び岩礁を政府が借用する等の考えはあるか、政府の見解如何。

四 尖閣諸島では、山羊による環境破壊が懸念されているが、これらの被害に関して、政府の評価及び対策について、政府の見解如何。また、尖閣諸島には希少種の動植物が確認されている。これら希少種の動植物について、政府の把握するところを示されたい。また、これらを保護するため、必要な人員の配置を含め、具体的な対策について、政府の見解を示されたい。

五 尖閣諸島国有地の拡大に伴い、警察官の常駐や避難港の整備、無線局や灯台の整備等、政府による新たな管理強化策について、政府の見解如何。

六 中華人民共和国政府は、本年四月、尖閣諸島周辺の漁業資源の利用を強化する案等を盛り込んだ海洋管理計画を発表した。それによると、尖閣諸島を「釣魚島」と明記した上で、島の利用について「伝統的な漁業資源区を回復させ、合理的な利用を強化する」と目標設定をしている。これに対する日本政府の評価及び見解如何。また、本計画の発表以降、日本政府が講じた抗議措置について、事実関係を明らかにされたい。また、本計画を阻止するための政府の対抗策について、具体的に示されたい。

  右質問する。