質問主意書

第181回国会(臨時会)

質問主意書


質問第一五号

原子力損害賠償法の抜本的見直しに対する野田政権の無責任な対応に関する質問主意書

右の質問主意書を国会法第七十四条によって提出する。

  平成二十四年十一月二日

浜田 昌良   


       参議院議長 平田 健二 殿



   原子力損害賠償法の抜本的見直しに対する野田政権の無責任な対応に関する質問主意書

 原子力損害賠償支援機構法(以下「支援機構法」という。)の与野党修正協議により、附則第六条が大幅に修正され、同条第一項に「政府はできるだけ早期に、平成二十三年原子力事故の原因等の検証、原子力損害の賠償の実施の状況、経済金融情勢等を踏まえ、原子力損害の賠償に係る制度における国の責任の在り方、原子力発電所の事故が生じた場合におけるその収束等に係る国の関与及び責任の在り方等について、これを明確にする観点から検討を加えるとともに、原子力損害の賠償に係る紛争を迅速かつ適切に解決するための組織の整備について検討を加え、これらの結果に基づき、賠償法の改正等の抜本的見直しをはじめとする必要な措置を講ずるものとする。」という旨が規定されている。
 また、衆参の東日本大震災復興特別委員会は、支援機構法案に対し、それぞれ平成二十三年七月二十六日及び八月二日に、「本委員会は、本法附則第六条第一項に規定する「できるだけ早期に」は、一年を目途とすると認識し、政府はその見直しを行うこと」という旨の附帯決議を、与党も賛成の上、行っている。
 しかしながら、野田政権は無責任にも、これらの決議から既に一年二カ月以上が経過しているにもかかわらず、附則第六条第一項に係る検討について与党・政府から発信がなく、「約束を守らない与党」に対し、多くの国民は疑念を抱いている。
 そこで、以下のとおり質問する。

一 支援機構法附則第六条第一項に「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故(以下「平成二十三年原子力事故」という。)の原因等の検証、平成二十三年原子力事故に係る原子力損害の賠償の実施の状況、経済金融情勢等を踏まえ」とあるが、本条項により「踏まえ」るべきものとして、野田内閣として認識している内容如何。その要点を国民に分かる形で明らかにされたい。

二 支援機構法附則第六条第一項において検討が加えられることとなっている「原子力損害の賠償に係る制度における国の責任の在り方」について、今までの検討の状況、現時点の検討結果について明らかにされたい。

三 支援機構法附則第六条第一項において検討が加えられることとなっている「原子力発電所の事故が生じた場合におけるその収束等に係る国の関与及び責任の在り方等」について、今までの検討の状況、現時点の検討結果について明らかにされたい。

四 支援機構法附則第六条第一項において検討が加えられることとなっている「原子力損害の賠償に係る紛争を迅速かつ適切に解決するための組織の整備」について、今までの検討の状況、現時点の検討結果について明らかにされたい。

五 前記二から四までの検討の結果、支援機構法附則第六条第一項において講ずることとなっている「賠償法の改正等の抜本的見直しをはじめとする必要な措置」について、今までの検討の状況、現時点の検討結果について明らかにされたい。

六 前記一から五までの検討及び措置の実施がいまだ完了していないのであれば、その理由は何か。野田政権として責任を持って実施して行く決意はあるのか。決意があるというのであれば、今後の具体的スケジュールを国民に分かるような表現で明らかにされたい。

  右質問する。