質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第二五四号

内閣参質一八〇第二五四号
  平成二十四年九月十四日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員佐藤正久君提出香港民間団体による尖閣諸島上陸事件に関する再質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員佐藤正久君提出香港民間団体による尖閣諸島上陸事件に関する再質問に対する答弁書

一及び二について

 平成二十四年八月十三日に開催した関係省庁会議で確認した「抗議船等の海上での排除に全力を尽くす」という政府としての対処方針の下、海上保安庁の巡視船が、御指摘の「「保釣行動委員会」の船」に対し、可及的速やかに領海外へ退去させるための警告、放水及び接舷を繰り返し行うこととなったものであり、航行の理由を確かめるための領海等における外国船舶の航行に関する法律(平成二十年法律第六十四号)第六条第一項に基づく立入検査は実施しておらず、そのための停船を命じることや、海上保安官による御指摘の「リペリング降下」は実施しなかった。

三について

 御指摘の事案においては、御指摘の「「保釣行動委員会」の船」に乗船していた者から海上保安庁の巡視船に向けてれんが片等の投てきがあったものであるが、当該行為は、同船に乗船していた海上保安官に対するものとは認められなかったことから、第十一管区海上保安本部長(以下「本部長」という。)において、暴行罪には当たらないと判断したところである。

四について

 御指摘の事案は、御指摘の「「保釣行動委員会」の船」が、魚釣島に一時的に乗り上げたものであり、当該行為の態様等に照らして、本部長において、船舶法(明治三十二年法律第四十六号)第三条の規定に違反する「寄港」とは判断しなかったところである。

五について

 政府としては、我が国法令に基づき適切に対処するとの基本方針を確認し、関係機関は、これに沿って適時に適切な措置をとったところであるが、御指摘の事案が発生したことは誠に遺憾である。
 御指摘の事案の発生を受け、外交ルート等を通じて中国政府等に対し、再発防止に向けてしかるべき措置を講ずるよう強く申入れを行っているが、今後も必要に応じて、同国政府等に対し、適切な対応をとるよう申入れを行っていくほか、関係機関が緊密に連携しつつ、情勢に応じて海上保安庁の警備体制を強化するなど、対策に万全を期してまいりたい。