質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一六二号

内閣参質一八〇第一六二号
  平成二十四年七月三日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員川田龍平君提出放射性物質を含んだ土壌等の除染事業に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員川田龍平君提出放射性物質を含んだ土壌等の除染事業に関する質問に対する答弁書

一及び三について

 福島県内の市町村が実施する線量低減化活動支援事業(以下「支援事業」という。)については、平成二十三年度第二次補正予算に計上された放射線量低減対策特別緊急事業費補助金により、同県が造成した福島県民健康管理基金の事業の一部として実施されているが、国が同補助金として同県に交付した額は、約百八十億円である。同補助金の返還等については、同補助金の交付要綱の規定に基づき、判断することになる。

二について

 支援事業における個別の措置について、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成二十三年法律第百十号。以下「法」という。)の規定が適用されるか否かについては、法第二十五条第一項に規定する除染特別地域又は法第三十五条第一項に規定する除染実施区域で行われるか否か等を、個別に勘案して判断していくものと考えている。

四及び六について

 お尋ねの「町内の道路の側溝の汚泥をすくい上げた上で、同じ町内の公園やスポーツ広場に穴を掘って一時保管する場合」の意味するところが必ずしも明らかではないが、土壌等の除染等の措置(法第二条第三項に規定する土壌等の除染等の措置をいう。以下同じ。)によって発生した除去土壌(同条第四項に規定する除去土壌をいう。以下同じ。)の保管に関し、現場保管又は仮置場での保管のいずれに該当するのかについては、保管場所に係る土地の様態等を個別に勘案して判断されるものである。
 環境省においては、地方公共団体から除去土壌の保管に関して問合せがあった場合には、法に係る事務を担当する立場から、個別の措置ごとに、必要な回答を行っているところである。なお、地方公共団体からの問合せについては、日常的に様々なものが存在しているところ、お尋ねの「問合せ」のあった日時や回答者を網羅的にお答えすることは困難である。

五について

 除去土壌の保管場所における「看板や囲い」の設置については、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法施行規則(平成二十三年環境省令第三十三号。以下「施行規則」という。)第五十八条第二号及び第三号に規定するところにより、除去土壌の保管に当たっては、土壌等の除染等の措置により生じた除去土壌を当該土壌等の除染等の措置を実施した土地において保管する場合を除き、周囲の囲いや掲示板の設置が必要である。

七について

 側溝の堆積物を除去したものであって、除去された物が土砂として捉えられるものではなく、泥状である場合には、当該泥状の堆積物は法第二条第二項に規定する廃棄物のうちの汚泥に該当する。また、当該汚泥が、事業活動に伴って生じたものである場合には産業廃棄物に該当し、事業活動に伴って生じたものでない場合には一般廃棄物に該当する。
 土壌等の除染等の措置に伴い生じた汚泥等の廃棄物を保管する場合における放射線の量の測定及び記録については、法第四十一条第四項等及び施行規則第六十条第一号等に規定されている。

八について

 お尋ねの「除染作業で発生した側溝の汚泥から一キログラム当たり八千ベクレルを超える放射性物質が検出された場合」には、当該汚泥については、指定廃棄物(法第十九条に規定する指定廃棄物をいう。以下同じ。)としての指定を受けることができる。指定廃棄物については、同条の規定に基づき、国が処理することとなっているが、国又は国の委託業者等に引き渡されるまでの間においては、法第十八条第一項による廃棄物の指定を申請をした者が、同条第五項により準用される法第十七条第二項に基づき、施行規則第十五条に定める指定廃棄物の保管の基準に従い、保管しなければならない。