質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一五八号

内閣参質一八〇第一五八号
  平成二十四年六月二十九日
内閣総理大臣 野田 佳彦   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員三原じゅん子君提出日本航空に対する欠損金の繰越控除制度の適用等に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員三原じゅん子君提出日本航空に対する欠損金の繰越控除制度の適用等に関する質問に対する答弁書

一について

 御質問の「ナショナルフラッグキャリア」の意味するところが必ずしも明らかではないが、日本航空株式会社(以下「日本航空」という。)は、我が国の発展基盤である航空ネットワークの重要な部分を担っていると認識している。

二について

 欠損金の繰越控除制度においては、平成二十年四月一日以後に終了した事業年度において生じた一定の欠損金額について、九年間繰越控除することとされている。当該制度は、企業活動が期間を定めずに継続的に行われるものであるのに対し、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)は事業年度を定めて所得を計算することとしていることを踏まえ、法人税負担の合理化を図るために設けられているものであり、本来課すべき税を免除するためのものではない。

三について

 日本航空は、会社更生法(平成十四年法律第百五十四号)第百九十九条第一項の規定に基づき認可された日本航空の更生計画に基づき、路線の大幅な縮小及び航空運送事業への経営資源の集中等を行った結果、営業収益を基準とした事業規模が、更生手続の開始前と比較して大幅に縮小していると承知しており、「積極的な事業展開を行っている」との御指摘は当たらないと考える。

四について

 我が国の航空政策上、日本航空を含む主要な国際線運航会社二社により、活発な競争が行われることが望ましいと政府が考えていること及び日本航空の同業他社からの事業引受けに係る提案もなかったことから、株式会社企業再生支援機構は、日本航空の同業他社に対する一部事業の売却について検討しなかったものと承知している。

五について

 御指摘の「平成二十二年度に新たに生じた欠損金九千億円」の意味するところが必ずしも明らかではないが、日本航空においては、平成二十二年一月二十日から同年十一月三十日までの事業年度において、会社更生法第八十三条第一項の規定に基づく財産の価額の評定の結果生じた評価損等により、約九千億円の欠損金が発生したことは承知している。

六について

 平成二十四年六月二十九日現在の日本航空の株主は、株式会社企業再生支援機構、日本航空の取引先等八社及び日本航空の取締役等二十名であり、その所有株式数は、それぞれ、一億七千五百万株、六百三十五万株及び二千株であると承知している。