質問主意書

第180回国会(常会)

答弁書


答弁書第一四一号

内閣参質一八〇第一四一号
  平成二十四年六月十九日

内閣総理大臣臨時代理           
国務大臣 岡田 克也   


       参議院議長 平田 健二 殿

参議院議員加藤修一君提出インプラントの治療トラブルの防止に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。



   参議院議員加藤修一君提出インプラントの治療トラブルの防止に関する質問に対する答弁書

一について

 お尋ねについては、厚生労働省において、全国の歯科医療機関から歯科保健医療サービスを推進する上での問題点等の情報の収集等を行う「歯科保健医療情報収集等事業」により、歯科インプラント治療について、文書による患者への説明状況、トラブルの経験、経過観察の状況等に関する情報を収集し、実態の把握に努めている。

二について

 お尋ねの「相談窓口」については、都道府県歯科医師会等に設けられていると承知しており、歯科インプラント治療を含む医療に関する苦情等については、医療安全支援センター(医療法(昭和二十三年法律第二百五号)第六条の十一第一項の医療安全支援センターをいう。以下同じ。)においても対応している。
 また、独立行政法人国民生活センターから社団法人日本歯科医師会等に対して御指摘の要望がなされたことも踏まえて、厚生労働省としても、同会等に対して、当該要望について適切な対応を行うよう協力を依頼したところ、同会としては、都道府県歯科医師会等の医療相談窓口と医療安全支援センター等との連携を強化して、患者への情報提供等に適切に対応していく方針であると承知している。

三について

 歯科インプラント治療については、現在、関係学会において、患者の状態が歯科インプラント治療に適応しているかどうかを判断するための基準等の作成に向けた検討が行われていると承知している。お尋ねについては、厚生労働省としては、関係学会の動向等も踏まえ、適切に対応していきたい。

四について

 歯科インプラント治療に関する大学における教育については、文部科学省が平成二十二年に歯科インプラント治療に関する教育の実施状況について実施した調査によると、歯科医師の養成に係る全ての大学において「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」を踏まえた教育が実施されていたところである。また、同省において、平成二十三年に「歯学教育モデル・コア・カリキュラム」を改訂し、歯科インプラント治療に関する記載を充実させたところであり、歯科医師の養成に係る全ての大学において、これを踏まえた教育が実施されると見込まれる。
 また、歯科医師に対しては、都道府県において、「歯科医療安全管理体制推進特別事業」により、歯科インプラント治療を含む歯科診療において特別な感染防止対策が必要とされる治療に関する研修が実施されている。

五及び六について

 歯科医療機関においては、医療法第六条の五第一項等により、一定の基準に適合するものとして厚生労働大臣に届け出た団体が行う歯科医師等の専門性に関する認定を受けた旨については、医療を受ける者による医療に関する適切な選択に資するものとして広告することが認められている。
 お尋ねの「インプラント治療の専門医」である旨を広告することが認められるかどうかについては、現在、厚生労働省において、関係学会から相談を受けているところであり、同省としては、今後、当該相談に対して適切に対応していきたい。
 また、お尋ねの国際的な学会の資格について、特別な取扱いを行うことは考えていない。

七について

 歯科医療機関のホームページについては、厚生労働省としては、同省の「医療情報の提供のあり方等に関する検討会」が平成二十四年三月に取りまとめた報告書を受けて、今後、医療機関のホームページに掲載すべきでない事項等をガイドラインとして示す予定であり、歯科インプラント治療に関する表現についても、当該ガイドラインにより、歯科医療機関の自主的な取組を促していきたい。